「確かに受け取りました!有難う御座います」
そんな言葉とともにポストされた1通の手紙が、X(旧Twitter)で大きな反響を呼んでいます。
投稿したのは、焼き鳥店「やきとりさんきゅう」などを運営する阿久津優(あくつ・ゆう)さん(@yakitori3939)。届いたのは、“無銭飲食になってしまった”ことを知らせる手紙と現金でした。
届いたのは差出人不明の封書「驚きと感動が同時にきた」
差出人の名前がない手紙に驚きながら開封したという阿久津さん。中には、丁寧な筆跡でこう綴られていました。
「楽しく食事をさせていただき、PayPayで支払いをしたつもりでしたが自宅で履歴を確認すると記録がありませんでした。結果、無銭飲食となっていました……」
そして、支払う予定だった金額が現金で同封されていました。
阿久津さんは、この瞬間の気持ちをこう振り返ります。
「飲食業20年ですが、このような手紙は初めて。驚きと感動の両方でした」
Xで紹介すると、「誠実すぎる」「こんな人に幸あれ」「ほっこりした」「いい話!」と、コメントが相次ぎました。
原因はお店側の決済ミス「スタッフがシステムに慣れておらず…」
“無銭飲食”の原因について阿久津さんは、はっきりとこう語ります。
「完全に当店の確認ミスでした」
最近、決済システムを変更したばかりで、
・PayPayとレジが連動しない仕様
・スタッフがまだ操作に慣れていなかった
ことで、決済完了を誤認してしまった可能性が高いそうです。
「本来ならお客様を不快にさせないようこちらが確認すべきでした」と、お店側の落ち度を率直に認めています。
手紙の送り主は不明 受け取った店主はSNSで感謝を発信
差出人の名前がないため、阿久津さんは直接の返信ができませんでした。そのため、「受け取りました。ありがとうございました」とSNSで感謝を伝えたとのことです。
「双方の確認が大事」電子決済時代の注意点も
今回の件を通して、阿久津さんは読者にこう呼びかけます。
「PayPayは一見決済されたように見えて、実は完了していないことがあります。双方が最後まで画面を確認するのが大切です」
そして、手紙の送り主に向けてもメッセージを残しました。
「こちらのミスで不快な思いをさせてしまい、本当に申し訳ありません。また気持ちよくご利用いただけるよう努力してまいります」
読者からは“心温まるコメント”続々
投稿のリプライには、こんな声が集まりました。
「正直に返金できるなんて素晴らしい」
「こういう話がもっと広まってほしい」
「電子決済の落とし穴、勉強になる!」
“ミス”をめぐって発生した今回の出来事。しかしそこには、見ず知らずの客と店主の誠実さが交差したあたたかい物語がありました。
阿久津さんは最後に、こう締めくくりました。
「また気持ちよく来ていただけるよう、スタッフ一同がんばります」