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「私の青春。挑戦して良かった」 82歳が干し柿の製造で「特許」取得 発想の転換→都内有名店でも販売

山陰中央新報社 山陰中央新報社

 島根県松江市東出雲町にある「百市農園」の福岡博義代表(82)が、干し柿の製造方法で特許を取得した。わらの間に柿を並べて屋内で乾燥させる方法で、天候に左右されず、効率的に製造できるという。40歳で干し柿作りを始めた福岡さんは「挑戦して良かった。死ぬまで続ける」と意気込む。

 特許を得た製造方法は、皮をむいた柿を1週間程度あら干しした後、柿をつるした木枠を横に倒し、形が崩れるのを防ぐネットとわらを組み合わせて段積みする。上下のわらが柿の水分を吸収し、熟成も促す。

 段積みすることで省スペースで生産量を確保できるほか、自然乾燥させる一般的な手法よりも1週間ほど早い25日前後で出荷できる。製造された干し柿は表面がやわらかく、上品な味わいに仕上がるという。

 例年5万~8万個を出荷し、東京都内の有名果物店でも取り扱いがある。今年は春先の暑さの影響で例年より少ない約4万個を11月下旬から出荷する。

 市内の金融機関に勤めていた約40年前、定年後を見据えて干し柿作りを決意し、会社員として働きながら生まれ育った東出雲町で柿の木を育てることから始めた。干し柿作りで試行錯誤し、熟成を促すエチレンガスを出すわらに着目し、今回の製造方法を編み出した。

 今後はノウハウを次世代へ引き継ぐため、希望者に対して研修を実施する。福岡さんは「干し柿作りは私の青春。特許をきっかけに干し柿に興味を持つ仲間が増えてほしい」と期待した。

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