「わー!ありがとう!!」「わー!うれしい」「わーー!すごいー!」。LINEやチャットなどの文頭で見かける「わー!」という表現。喜びや驚き、共感の気持ちをストレートに伝えることができる便利な言葉と思いきや、一部では「文頭に『わー!』を使うのはおばさん」という説があるそうでーー。
40代「心動いてますよ…伝えやすい」
11月初旬、Xにあるユーザーが投稿したところ拡散。ネット上では議論が交わされました。「わー!使ってる」「めちゃ使ってる」「つけまくってるよ」「おばさんだからおばさんで構わない」「おじさんでも使う」「連発してる」「テンション上がると使う」「えっ、じゃあ若者は文頭に何使ってるの?」など。中には「語彙が少ないから使うのでは」という辛辣な意見もありました。
兵庫県在住の40代主婦は、学生時代の友人やママ友とのLINEで頻繁に使うといい、「ちゃんと反応してますよ、心が動いてますよと伝えやすい」。
神戸市内の大学に通う20代の女子学生は、「友達同士ではあまり見ないけど、中年っぽいと感じたことはありません」。
専門家「同世代間でのやり取りでは問題ない」
「若者はLINEに『。』をつけない 大人のためのSNS講義」(講談社+α新書)の著者として知られ、ITジャーナリストで成蹊大客員教授の高橋暁子さんに話を聞きました。
──文頭に「わー!」を使うのは中年だけなのか。
「若者世代がまったく使わないわけではないが、確かに若者世代ではそれほど使わないかもしれない。若者世代は『やば!』『うわ!』『マジ?』等の表現が多いような印象」
──世代ごとに文体に違いがあるのは自然なことでは。
「多くの場合、同世代間等でコミュニケーションするもの。『わー!』も、大人世代において、親しい相手と感情を素直に出すやり取りで使われる表現のはず。相手と同じような言葉でやり取りする方がミラーリング効果も働き、相手と親しくなりやすいため、むしろ良いことだ」
ミラーリング効果とは、相手の言葉や仕草などをまねることで距離を縮める心理的なテクニックのこと。SNSでも文体やスタンプなどの雰囲気を近づけるとお互いに親近感がわくと言われています。
使う上での注意点も
ネット上では「本当に『わー!』って思ってるからこれからも使います」「使いたいけどおばさんだと思われたくない」という声も。
高橋さんは「ママ友同士や同僚間等、同世代間でのやり取りではこれまでと同じやり取りのままで問題ない」とした上で、年下の相手に使う際には注意が必要だと教えてくれました。
「上司が部下に、親が子に等、若者世代とやり取りする時には、『わー!』のような感情をストレートに出す表現は少々不適切で、違和感を感じられてしまいそうだ。それが『おじさん・おばさん』評価につながってしまう。相手を気遣ったていねいな文章なら、『おじさん・おばさん』ではなく、『さすが大人』として見てもらえるだろう。もし若者世代と親しくなりたい時には、SNSだけではなく、対面でしっかりコミュニケーションを取ることが大切だ」(高橋さん)