黒猫の「ぼたもち」くん(男の子)は、2024年7月1日に保護されました。生後2カ月ほどの小さな体で必死に生き延びていた姿に心を動かされ、飼い主のXユーザー・黒猫おはぎ 林遊眠@劇団ショウダウンさん(@rinyuumin)の家族になったのです。
社用車の中から救出された小さな命
勤務先の駐車場で「猫の声がする」と部長から声をかけられたのがはじまりでした。調べてみると、車の下から必死に鳴く子猫の存在が明らかになり、整備会社の協力でようやく保護することができたのです。
「勤務中に部長が『猫の声がしたら教えて』と入って来られ、事情を聞いたところ、信号待ちの車のタイヤから子猫が落ちたと。部長の車の中に入り込んでしまい、捕まえられないままになっていたと知りました」
その後、車を整備会社に運び、ジャッキで持ち上げて底部分を外す大がかりな作業に。数人がかりで救出し、急いで動物病院へ。薬を処方されて一安心しました。
「最初は知り合いに声をかけて引取り手を探していましたが、1週間もすると『誰も名乗り出ないでほしい』と思うようになり、迎え入れる決意を固めました」
小さな暴君と呼ばれた子猫時代
新しい家にやってきたぼたもちくんは、小さな体に似合わず気の強さを見せつけました。人間を威嚇し、おやつにも口をつけなかったといいます。
「床のあちこちに粗相も…。小さい暴君にハラハラしましたが、保護から3日後にお風呂に入れてあげたら、あたたかいお湯に浸かった瞬間、気持ちよさそうに目を閉じて、とってもかわいらしかったです」
名前は先住猫の黒猫「おはぎ」ちゃんにちなみ、“同じ意味の言葉を”と「ぼたもち」くんに。けれど当初はおはぎちゃんがなかなか受け入れてくれず、葛藤もあったといいます。
「数カ月間は、おはぎがずっと避けていて悩ましい日々を過ごしました。でも今ではちょうどいい距離感で追いかけっこをしたり、喧嘩をしたり、毛づくろいをしたりするようになってホッとしています」
ぼたもちくんのいたずら好きな性格も加わり、家の中はにぎやかに。紐やカーテンに夢中になるなど、毎日、新たな発見を与えてくれました。
保護から1年…今ぼたもちくんへ伝えたい思い
ぼたもちくんは、1歳を迎えました。その愛嬌たっぷりの仕草や行動で、飼い主さん家族はもちろん、家に来たお客さんまでもメロメロにしています。
「甘えん坊で、いたずらっ子。人懐っこく、食いしん坊です。最近は少し人見知りもしますが、来客があってもちゃんとご挨拶します。おやつ目当てかもしれませんが(笑)」
そして最後に、飼い主さんは改めて愛を込めたメッセージを贈りました。
「あなたはどこから来たの? 暑い中、お母さんや兄弟たちと離れて車に乗って、大冒険だったね。薬でお腹の虫が出てきた時は、本当にびっくりしたよ。何でも口に入れるのはお外で生きていた頃の手段だったんだよね。もうここは安全だから、どうかカリカリやおやつ以外は食べないでください(切実)。大好きだよ」