「飼い主さんが6月に亡くなった犬がいる。相談者は別のところに住む身内の方で、その方も病気と引越しでこれから面倒みれない。どうすればいいか?」
飼い主が亡くなり、犬小屋でひとりぼっちになってしまった犬。お世話ができる人がいないと、市役所から相談があったことを栃木県内で犬の保護活動をしている、なつさん(@natsu.wolfhill_grmmmmm)がInstagramで報告。その犬を保護することになり、なつさんが現場の犬小屋に足を運んだところ、そこには想像を絶するようなボロボロの犬がいました。
「身内の方と初めて連絡を取った際、ワンちゃんは雄の中型雑種、亡くなった方のおうちで外飼いしていると聞きました。すぐに里親も預かり先も見つからないかと思ったので、とりあえず写真だけ撮りに行ってみることにして、ドッグフードの大袋を持って現場へ行ったんです。家から車で5分のところで、山の中でした。進むと奥にクレートが見えて、近付いて声をかけるとほえましたが、出てこない。中をのぞくと、悲惨な状況。声を失いました。フェルト状になった毛で目が完全に隠れていて。毛で覆われた体も中身はガリガリなのが分かりました。
毛で覆われて目が見えないからか、出入り口と逆方向を見てほえて。また蚊がたくさん飛んでいる中、水もご飯の器も空っぽ。この日、写真だけ撮ってそのまま放っておくことができず。知人の預かりボランティアさんに連絡して、犬1匹を受け入れ可能であることを確認。犬を入れるクレートを取りに一度帰宅し、再び現場に戻って犬を急きょ保護することにしました」
そこで、保護することを飼い主の身内へ連絡。現場に戻り、リードを付け替える際の犬はとてもおとなしく、筋肉も脂肪もなく歩き方に力がなかったといいます。
「身内の方に詳細を聞いたら、どうやら6月に亡くなった飼い主さんは、10年以上前に飼えなくなった人から預かったとのこと。その人が迎えに来なかった。そして飼い主さんは昨年の7月から入院して今年の6月に亡くなったそうです。入院の前からお世話ができていないため、たまにその身内の方が行って面倒をみてたとか。今は行けて3日に1回、医療はかけておらず、長いこと今のボロボロの見た目だったとも聞いて驚きました。今年の夏は暑かったし、冬は山の中は極寒。この子はシングルコートで寒さに弱い犬種のはずで。家から車で5分のところでこんなことが起こっていたなんてショックでした。これからは、こんなに辛い思いはもうさせないと誓いました」
ボロボロの犬、川にいたところを亡くなった飼い主が保護
保護した翌日、動物病院で朝一番に診てもらえることに。その結果、毛の“鎧”の下の皮膚は赤くただれていて、餓死、衰弱死寸前と診断。また両足アキレス腱断裂の外傷もみられました。そして…そんなひどい体の状態といわれた犬の名前はウーロンくん。13歳になる小型犬でした。
「ウーロンはもともと、川にいたところを亡くなった飼い主さんが保護したそうです。以前の飼い主さんが判明しましたが、迎えに来なかったと。その時すでに足がおかしかったとか。診察では、外傷なので両足のアキレス腱が断裂することは、人的なものしか考えられないと言われました。元の飼い主さんは車で1時間以上離れたところに住んでいたそうで、おそらく、戻ってこれないように足を傷つけて離れたところにウーロンを捨てたんだと思います。予測に過ぎないですが…迎えに来ないということは事実に近いのだと思います」
長年、ネグレクトの状態だったというウーロンくん。トリミングも終え、今はボロボロだった体もスッキリとかわいい姿に変身しました。あとは優しい里親さんを待つばかりです。
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今回のウーロンくんの投稿が、Instagramで話題になり、たくさんのコメントが寄せられています。
「生きててよかった、、、本当に」
「高齢になり自身の世話もおもうようにいかなくなったり、体調を崩したなどの事情で飼育できなくなる飼い主は、高齢化社会である今の社会では更にふえていきそうで不安です…」
「酷くて絶句、読み続けると涙が出てきました。どれだけ苦しかったか 見つけていただきありがとうございます。」
「心を殺して、この子はどれだけの時間をすごしてきたのでしょうか‥これからの時間は心をとりもどして、いっぱい愛情もらって、どうか幸せになってほしい」
「人間が一番酷いですね、、何も悪いことしていないこの子がこんな生き地獄を味わなければならないのか…ワンちゃんらしく食べて寝てお散歩して、、これからの犬生を幸せに過ごして欲しいです」