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ミルク23回、抱っこ&夜泣き14回…赤ちゃん人形と〝育児〟に挑んだ男子高校生に共感殺到「お母さん尊敬する」

そんでなライターズ そんでなライターズ

台湾の高校に通う男子学生が授業の一環として取り組んだのは、リアルな赤ちゃん人形を使った“本気の育児体験”。ミルクをあげ、おむつを替え、夜泣きにも対応するという2日間を過ごした息子が、「育児をしている人みんな偉い」「365日休まず育児するなんてお母さん尊敬する」と口にしたといいます。

そのエピソードを母親のティンさん(@iwa.v0u0v)がThreadsに投稿したところ、「日本でも導入してほしい」と大きな反響を呼びました。想像を超える“育児のリアル”に直面した息子の姿に、ティンさんも過去の自分を重ねたと語ります。2日間の体験が親子にもたらした気づきについて、話を聞きました。

ティンさん一家は数年前から台湾で暮らしています。現地の高校に通う息子さんが参加したのは、性教育や命の大切さを学ぶ授業の一環として行われた2日間の育児プログラム。

ある日、息子さんは体重約3000グラムの赤ちゃん人形を抱えて帰宅しました。息子さんの“育児体験”が始まります。

母親のティンさんは、初めて人形を見た時の印象を「もともとリアルな人形が苦手なので、顔つきが少し怖く感じました。抱っこしてみるとずっしり重くて、本物の赤ちゃんみたいでした」と語ります。

この人形は、ただ重いだけではありません。泣き出す時間も理由も不規則で、ミルクやおむつ交換、抱っこであやすなど、本物の赤ちゃんさながらのお世話が求められます 。その様子をティンさんは、Threadsにこう綴っています。

「息子が産まれてから毎日なぜ泣いてるか分からない不安と、絶対に死なせてはいけない責任感とプレッシャー、夜泣きも酷く寝不足の中近所迷惑も気にしながらの育児。あの時の私も頑張ったんだな。この授業は全世界でやった方がいい。命の大切さ、育児の大変さも分かるし、育てられないなら避妊をしなければならない事、遊びで性行為をするものではないと学べると思う」

授業とはいえ、その“育児”は想像以上に過酷なものだったそう。

「休む間なく育児をしていました」とティンさんは振り返ります。夜泣きによる寝不足は深刻で、人形が静かな間に仮眠をとるものの、食事中もお構いなしに泣き出すため、息子さんは自分の食事を後回しにして人形をあやしていたといいます。

別のクラスメートは、人形を連れて外出したコンビニで泣き出され、イートインスペースで必死にあやしたという話も。「みんな頑張ってるんだな、って思わず笑ってしまいました」とティンさんは語ります。

特に緊張が走ったのは、深夜の夜泣きでした。

「夜泣きが始まった時は緊張感が走り、何故か私の胃が痛くなりました 。瞬時に赤ちゃんが何故泣いているのかを判断して育児をするのは何度経験していてもやはり緊張しますね。命を扱うとはそういう事なんだなと改めて思いました」

眠い目をこすりながら奮闘する息子さんの背中を見て、ティンさんは自身の過去の育児と重ね合わせていました。夜中に何度も泣かれ、泣き声が近所迷惑にならないかと気にしながらお世話をしていた日々を思い出したそうです。

2日間の育児体験で、息子さんが行ったお世話は「ミルク23回、オムツ替え16回、抱っこ&夜泣き14回」にも及びました。

体験を終えた息子さんは、少し疲れた様子で「赤ちゃん育ててる人みんな凄いし尊敬する」と語り、ティンさんに冒頭の言葉を伝えたそうです。

「その言葉を聞いた時、私は救われた気がしました。育児は誰かに褒めてもらえるわけではないので嬉しかったです」

ちなみに、クラスメートたちの多くは体験が終わると「自由だー!」「やっと終わったー!」という解放感でいっぱいだったのだとか。

ティンさんは、この貴重な機会を与えてくれた学校に感謝していると話します。

「命を扱う事は親でも口頭で説明できるものではないので、貴重な体験だったと思います。将来子供が産まれてから“やっぱり育てられない”となるより、先に体験しておくことで、少しの自信に繋がることもあると思うんです」

さらに、この体験授業の意義についてこう続けます。

「育児が女性だけの負担にならないように、一緒に育てていく事が大切なんだと思います。男女関係なくこの体験をさせてくれる事は素晴らしいなと思いました。できれば次男にも体験して欲しいなと思ってます」

今回の投稿は、「本当に素晴らしい授業!」「妊娠中…いや、出産入院中に夫にやらせたい」「日本にもぜひ取り入れて欲しい」といった声が寄せられたほか、表示件数が125万回を超えるなど大きな注目を集めました。

最後に、ティンさんに今回の体験を通じて息子さんへ期待することを尋ねると、こんな言葉が返ってきました。

「この経験を活かして、将来もし結婚することがあれば、奥さんと一緒に協力して育児をしてくれたら嬉しいです。育児の大変さを体験したからこそ寄り添える優しさもあると思うので、子育てをしている人を温かく見守れるような人になってくれたら…と思います」

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