キジ白の女の子「しお」ちゃんは、親猫に育児放棄され、生後2、3週間でひとりぼっちにーー。2023年のことでした。
そんなしおちゃんを見つけ、救いの手を差し伸べたのが「保護主」と呼ばれる存在です。野外で困っている猫を保護して命をつなぎ、譲渡会や里親探しを通じて新しい家族へと橋渡しをする人のこと。しおちゃんも、保護主さんに救われました。
その後、しおちゃんとのご縁が結ばれたのは、Xユーザーの猫のしお むすび 飼い主・はろでさん(@rode_no_neko)。その出会いは、ある日突然訪れたといいますーー。
新入りなのに堂々!? 初日から家族を驚かせた行動
しおちゃんを迎えたとき、すでに家には元保護猫の「むすび」くんが暮らしていました。小さなしおちゃんが新しい環境に戸惑うのでは…と思いきや、意外な姿を見せてくれたそうです。
「しおもむすび同様、お迎え初日から部屋の中を探検したり、私や夫に甘えてきたりしました」
むすびくんに対しても物怖じせず、ぐいぐい距離を詰めていくしおちゃん。堂々とした態度に、先住猫の方が押され気味になるほどでした。
「むすびに対しても最初からぐいぐいと距離を詰めていって、むすびがたじたじとなっていました」
子猫ならではの無邪気さが、むすびくんを圧倒。家族の日常はますますにぎやかになっていったのです。
年末年始に襲った試練ーー通院の日々
家での暮らしに順調に慣れてくれたしおちゃん。飼い主さんはその様子を見てホッとしたのも束の間、心配な出来事が起こりました。
「しおはイタズラすることも少なく、安心して見守っていました。そんな矢先、急に体調を崩してしまい、連日病院に通うことになったのです」
時期はちょうど年末年始。多忙さが増すなか、通院と仕事の両立に追われる日々が続きました。
「幸い、しおは1週間ほどで回復し、元気を取り戻してくれて本当に胸をなでおろしました。猫と暮らすことの責任について改めて考えるいい機会になったと思います」
先住猫としおちゃん、甘えん坊タイムにジェラシーも
しおちゃんの存在は、飼い主さん家族の生活リズムを大きく変えました。
「しお自身は、我が家にやって来たときと変わりありませんが、人間の生活はしおが加わったことでますます充実したように感じます」
朝は、しおちゃんとむすびくんがそろって飼い主さんを起こすのがルーティンになったそうです。
「早朝、ふたりに起こされるので、私の起床時間はどんどん早くなっています(笑)」
そして、しおちゃんとむすびくんのあいだにも、新たな関係性が芽生えたといいます。
「最近、ふたりは“良きライバル”のような関係になっています。私がどちらかをかまっていると、もう片方はやきもちを焼いているような目でじっと見つめていることがありますね」
どちらも甘えん坊な一面があり、飼い主さんをめぐってやきもきする様子は、小さな子どものよう。家庭にはあたたかな空気が流れているようです。
今、しおちゃんに抱く飼い主さんの思いとはーー
しおちゃんは現在1歳を迎え、甘えん坊な性格で家族をとりこにしています。
「私や夫が寝ていると身体をぴったりとくっつけて添い寝をしてきますし、座っているとすぐに膝の上に乗ってきます。とてもかわいいのですが、私の顔の上に乗って寝るのは苦しいのでやめてほしいです(笑)」
その存在は、家族にとって大きな喜びになりました。
「偶然が重なって、あれよあれよという間にしおをお迎えすることになりましたが、しおが我が家に来てくれて本当に良かったです。むすびとともに、いつまでも幸せに暮らしてほしいなと思います」