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野口健、戦死者の頭蓋骨を手に「戦地で野ざらしにされている」遺骨収集活動17年 米国との予算差指摘「国家としての責務でありプライドの問題」

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野口健(@noguchiken8848)さんのインスタグラムより
野口健(@noguchiken8848)さんのインスタグラムより

アルピニストの野口健さん(52)が、24日までにインスタグラムを更新し、沖縄戦の戦死者の遺骨収集に取り組む姿を公開した。祖父が戦争経験者であるという野口さんが、遺骨収集にかける強い思いをつづっている。

2008年から遺骨収集活動を続けてきたという野口さんは「長年、戦没者の遺骨収集を沖縄やフィリピンで行ってきましたが、死ぬ事を求められた日本の将兵たち。死ぬハードルがあまりに低いのに遺骨収集のハードルがとても高い」と語っている。また祖父からの言葉として「インパール作戦で若手の参謀であった祖父は『国は遺族会や戦友会に遺骨収集を押し付け国家としての役割を放棄した』と嘆いていた」とコメント。遺骨収集活動を遂行する過酷さを実体験、祖父からの伝聞経験に即してつづった。

沖縄は大戦の際、日本で唯一住民をも巻き込んだ地上戦が行われた地。「沖縄は住宅街の目と鼻の先から未だに骸骨が発見される」と遺骨収集がままならない沖縄の現状を語り、「国家のために死んでいった兵士にあまりに冷たい。戦後、経済発展にうつつを抜かし、最も大切にしなければならないことを軽視した」と嘆いた。

遺骨収集という活動について、「過去を振り返りながらもこれから先の日本の行く末を思えばこそやらなければならない活動」と語り、遺骨収集に携わり続けている野口さん。「国家のために犠牲になった方々に対して冷たい国はいずれ滅びるとあの火炎放射器で焼かれ辺り一面が真っ黒に焦げたガマや洞窟の中に入る度に痛感させられる」と胸中を明かしている。

また、国家規模での遺骨収集活動について「政治家たちが靖国神社に参拝される事には感謝しつつも、未だに多くのご遺骨がかつての戦地で野ざらしにされている現実に複雑な心境に陥る」とつづった上で、対戦国であったアメリカの体制について「アメリカは国をあげて米兵の遺骨収集を行っている。予算規模含めあまりに違う」と言及。「遺骨収集は国家としての責務でありプライドの問題。先にも述べたように『国家の命令で犠牲になった兵士たちに冷たい国はいずれ滅びる』と突きつけられる思いである」と遺骨収集のままならない現状を嘆き、投稿の末尾には「あの現場に足を踏み入れた人ならば皆、そう感じるだろう」とつづった。

SNSでは、「多くの方々が未だ日本の地を踏めずに現地に遺骨が残っている事に胸が痛みます」「想像以上に多大な悲しみや犠牲の上で、国家の発展や成長があったのですね」「崇高な活動に感謝します!!」「切ないです。野口さんの活動に敬意を表します」「遺骨収集を放棄したことを知りませんでした」「もっと発信して多くの人に知ってほしい」などのコメントがあった。

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