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年間450万個売れる!大阪・老舗のり企業「大森屋」の「バリバリ職人」は失敗作だった!?客からのクレームを乗り越えた広告宣伝とは

クラブTVO編集部 クラブTVO編集部

1927年創業。まもなく100周年を迎える大阪にある老舗のり企業「大森屋」。2024年の売上実績約162億円と食卓に欠かせない商品を販売する企業で、近年の大ヒット商品「バリバリ職人」は当初「失敗作」といわれたのだそう。なぜそれがヒットしたのか、その秘密に迫ります。

CMソングでおなじみの老舗のり企業の常識破りの商品とは

今回、お話を伺ったのは、「大森屋」社長、稲野達郎さん。「大森屋」の主力商品と言えばピリ辛の味付が特徴の味付け海苔。そんな「大森屋」で近年のヒット商品を尋ねると、Tシャツにその答えが…

インパクト抜群のパッケージが目印の「バリバリ職人」。2018年に販売を開始すると、年間450万個、額にすると18億円売れる大ヒット商品に。いまや大森屋の看板商品になったこの商品ですが、実は失敗から生まれた商品だったのです。

新社長は「攻めの経営」、差別化したのりで勝負

2017年頃、「大森屋」は苦境に立たされていました。昔はお中元やお歳暮でのりを送る人が多かったのですが、最近では贈答品のやり取りが減少し、朝ごはんにパン食の人が増えたことでお米の消費量自体も減るなど、様々な理由からのり需要が減少していました。

さらには地球の温暖化による環境変化の影響でのりの収穫量が減少しており、特に九州地方では不作続きで生産量も激減するなど、業界全体が大変な状況の中で社長に就任したのが稲野社長でした。

そんな中、稲野社長が掲げたのは、厳しい中でも他社と差別化できる新商品を作るという「攻めの経営」でした。のりの新商品を生み出すことが大変なことは承知の上、それでも今こそ挑戦すべきだと考えたのです。

早速取り掛かりましたが、ふりかけと比べてものりは差別化できる要素が少ない商品。

そこで社長が提案したのは「パリパリ感の強い味付けが濃いのり」。これまでの味付けのりは唐辛子入りの秘伝のタレで味付けをしたピリ辛であることが、特徴でした。味付けをしていない焼きのりが主流の関東に、ライバル達が勝負をかける中、西日本で長年愛されていた大森屋の味をより進化させた味付けのりで勝負しようと考えたのです。

社長の狙いとは裏腹に「最大の失敗作」が…

長年の経験を活かし、関東で好まれるであろう、味が濃いめでパリパリの味付けのりの開発に乗り出しますが、簡単には進みません。試作品ができても風味が薄かったり、パリパリ感が弱いなど、1年半試行錯誤しても理想とは程遠い状態でした。

そうした中でできたのは、味の濃さを求めるあまり、調味液を塗りすぎ、縮んで波を打った状態ののりでした。元々、のりは平らで表面がツルっとしたものが良いとされていたので、縮んだのりは消費者にとって「でき損ない」と思われてしまうのではないか…。つまり、のり業界的には過去最大の失敗作ができたのでした。

ところが、食べてみるとそのパリッとした食感に、稲野社長は「この食感おもしろい!他に食べたことない」と好評価を得ることに。そして、新商品として売り出すと決めたのです!のりは縮んではいけないという、のり業界の常識は消費者にとっては関係ないだろうと踏んだのです。こうして形はウェーブ状、つかめばすぐにパリッと割れる独特な食感、クセになる甘口しょうゆの味付けが特徴の「バリバリ職人」が生まれました。

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