「ただの精神病持ちの引きこもりだったのが、学ぶことに若さを捧げると決めて、働いたお金で参考書を買って受験勉強を始めて、京都に行き着き、哲学に出会い、友人や先輩後輩に恵まれ、寺に住み込むようになり、今は学ぶことが面白くて仕方ない。学べることの喜びを噛み締める。もっと深くまで行きたい」
お寺に住み込み、同志社大学の学生として勉学に励んでいるunlightenmentさん(@reincarnationus)。精神を病み、引きこもりになった過去がありながら、現在は友人にも恵まれ、楽しく大学生活を送っているといいます。
前回は、発達障害や双極性障害の診断を受け、不登校や寝たきりになってしまう――というところまでを紹介しました。
今回は、そのような状況から脱却し、前向きに生きられるようになった転機についてご紹介します。
社会復帰から大学受験の決意
重度の双極性障害と診断され、寝たきりの生活を余儀なくされたunlightenmentさん。
しかしその後、精神疾患に理解のある両親のサポートもあり、翌年の春頃には次第に病状は安定していきます。
その後、社会復帰を果たすこともできました。
とはいえ、以降も気分変調の波には苦しみ続けることになり、精神に不安を抱えながら働くことに…。
unlightenmentさんは、そんな自分に嫌気がさしたといいます。
一生このままなんだろうか――。
自分に自信が持てないまま、病気に振り回されて、時間を空費し続けるのだろうか――。
「考えた結果、自分の在り方を180度変えようと決めました」(unlightenmentさん)
unlightenment さんは、まずノートに今の自分の性格を箇条書きにしました。そして、その横に自分がなりたいと思う逆の性格を書きます。
その項目のなかにあったのが、「自分の意志で何かを続け、達成すること」。
これが「大学受験をしよう」という決意につながったといいます。
両親にもそのことを打ち明けたところ、奨学金を借りること、受験料や参考書代や入学金は自分で働いて賄うこと、予備校に行くお金はないので独学ですること、といった条件つきで受験することを認めてもらえました。その年の7月中旬のことです。
以来、半年あまりの間、勉強とアルバイトを両立させる日々に入ります。
「実家の空き部屋に敷布団と机を移動して、起きた瞬間から出勤時間のギリギリまで机にかじりつき、夕方からバイトに行って、帰ってきてご飯を食べて寝る――という生活だったと思います」(unlightenmentさん)
高校の頃にはほとんど勉強をしていなかったため、英単語や英文法など、基礎知識を頭に叩き込むところから学習をはじめ、まさに破竹の勢いで勉強を進めていったといいます。
「今思い返せば躁状態だったのだと思いますが、とにかく猛烈な勢いで勉強をしていたのは覚えています」(unlightenmentさん)
その翌年の受験では、残念ながら志望校には届きませんでした。しかし、その頃には勉強自体が楽しくなっており、さらにもう1年、働きながらの受験勉強を継続。
そして次の受験では――。
第一志望には行けなかったものの、第二志望の大学に合格。晴れて大学生になれました。
「自分で立てた目標」を「自分の意志で」掴み取る――。
そんな受験の経験を通じ、unlightenment さんは自分に自信を取り戻すことができたのです。
◇ ◇
念願の大学進学を果たしたunlightenmentさん。
そこで、運命を変える出逢いが待っていました。
■unlightenmentさんのX(旧Twitter)はこちら
→https://x.com/reincarnationus