サッカーJ1ファジアーノ岡山は7月5日、サンフレッチェ広島をホーム・JFE晴れの国スタジアム(岡山市北区)で迎え撃つ。J1の舞台で中国地方勢が激突する「中国ダービー」はファジアーノの昇格で今季から実現。X(旧ツイッター)ではダービーを意識した投稿が増えてきた。JR岡山駅には、最速の新幹線のぞみ号、みずほ号で隣駅でもある岡山駅長、広島駅長がユニホームに袖を通し腕組みをして対峙(たいじ)するポスターが登場。「中国ダービー 隣だからこそ、譲れない」などと〝熱いバトル〟を繰り広げて話題になっている。
新幹線乗り換え改札口付近など駅構内3カ所に6月28日に登場したのは、竹本有喜岡山駅長と今田亨広島駅長がそれぞれファジアーノ、サンフレッチェのチームカラーとマスコットキャラクターモチーフのキジ、ツキノワグマを背に、腕を組んで向き合うライバル感満載のポスターだ。「中国、熱狂、ダービー」や「この情熱、県境を越える」などと5種類のキャッチコピーで岡山駅はダービー熱を煽(あお)る。
■有志チームが熱量表現
ポスターが掲示されると、たちまち見た人からXへの投稿が相次ぎ、「岡山駅、けっこう本気よね」「盛り上げ方がいいですね」「こういうのもっとやって」「駅長のためにも、中国ダービーを広島相手にシーズンダブルで終わらせよう‼️」などと、歓迎する内容のコメントであふれた。表示回数が345万回を超えるポストも出てくるなどバズる(話題が広く拡散する)状況だ。
実はこのポスター、企画から制作まで全てJR岡山駅勤務の社員が手がけた。J2時代よりファジアーノを盛り上げていく目的で結成された有志チームで、現在は20~30代の若手社員を中心に20人ほどが関わっている。岡山で初のJ1ダービーを機に、両クラブの公認を得て、高揚する街の空気とJR岡山駅の熱量をポスターに表現した。有志チームは「キャッチコピーも皆で考え、多くの候補から五つに絞った。JRならではの仕上がりになったのでは」とする。「つながるダイヤ、ぶつかるプライド」というコピーにはXでも「韻を踏んでるが、ちゃんとJR仕様になっている」と本業の線も押さえている。
■岡山初ダービーの雰囲気を
取材した7月1日時点の順位は広島が5位、岡山が10位。今田広島駅長は「J1リーグ優勝に向けて非常に大切な戦いになる。前回はホームで惜敗したが、今回は必ず勝つ」と意気込む。岡山駅側の仕掛けだが、広島駅の新幹線改札口にも「中国、熱狂、ダービー」のポスターを掲示してサンフレッチェサポーターにアピール。竹本岡山駅長は「今回はホーム戦だ。多くのサポーターの声援を背に何としても連勝を目指してほしい。順位も一桁に」と鼓舞する。
当日チケットは完売し、県補助陸上競技場で開催されるパブリックビューイングも締め切られているが「岡山での初ダービーの雰囲気を味わいたい」という声もSNSには上がっている。なんといっても両都市間は「のぞみで35分」だ。