空き家や今後空き家になりそうな物件を所有していたらどうすればいいのか。京都市の空き家相談員を務める不動産コンサルタントの小林悟さんに聞いた。
―家の行く末を気にする声は少なくない。
「家族で今後について考えるのは大事だと言われるが、近い存在だからこそ、かえって意見がぶつかるのを避けたり、相談しにくかったりするのが現実だ」
―どういった人に相談すれば良いのか。
「自治会長など家族の事情を一定理解する身近な地域住民を頼りにしてほしい。他人に自分の思い話すことで、気持ちを整理するきっかけになり、家族に話しやすくなるかもしれない」
―すでに空き家を相続している場合の注意点は。
「登記の有無を確認してほしい。不動産登記法が改正され、昨年4月1日以降に相続した場合、土地建物の登記が義務付けられた。相続開始や、所有権取得を知った日から、3年以内に済ませる必要がある」
「ゴミが散らばって放置されたり、壁や屋根が破損していたりすると『管理不全空き家』となって、固定資産税の軽減措置が受けられなくなるので、気を付けて」
-何から手を付ければよいのか。
「空き家解消には売却、解体、貸し出しの三つしかない。老朽化すればするほど資産価値は低くなり、不動産業者も扱いづらくなる。自治体の相談窓口を頼るなど、所有者は解決に向けて、まず一歩を踏み出してほしい」