カセットコンロのボンベは、防災用として備蓄している人も多いアイテムですが、消費期限があるとをご存じでしょうか?
SNSにて未使用のまま、消費期限が切れてしまったカセットボンベの処理に困ったという投稿が注目されました。
「カセットボンベ備蓄してるけれど、何年もつのかちゃんと知らなかった……」
「やばい…10年前製造の未使用のカセットボンベが2本もある…頑張って使うか、なんとかガス抜きして捨てるか……」
「うお〜!ずっと捨てられずに困ってた期限切れカセットボンベが、回収してもらえる」
消費期限についてのコメントや、未使用のものの処理方法に悩んでいる声をがあがっています。消費期限や処理方法などについて、カセットボンベのメーカーである岩谷産業の方にお話をうかがってみました。
消費期限は7年、でも保管状態に気をつけて!
ーーカセットボンベは、消費期限があるんですね!
「目安として、7年での使い切りを推奨しています」
ーー腐るものではなさそうなのに……期限があるなんてどうしてですか?
「カセットボンベの部品には、ガス漏れを防ぐゴム部品が使用されており、ご使用の有無や頻度に関わらず、経年劣化していくためです」
ーー消費期限は、どこに書かれていますか?
「カセットボンベの底面に、製造年月日が記載されているので、確認をお願いします」
ーー使用途中で出番がなくなり、しばらく使っていないけれど、中身がまだあるもの使用できますか?
「7年以内で、外観に変形やサビなどがないようでしたら、使用可能です」
ーー消費期限内でも、保管状態が悪いと、使用が危険な状態などになりますか?
「はい、正しい保管が大切です。40℃以下の冷暗所で保管をお願いします。台所のシンクの下など、湿度の高い場所や、屋外の物置など、温度変化の激しい環境は、ボンベが錆びる場合があります。また高温下で保管するとガスの内圧が上昇し、ボンベが破裂する可能性もあります。さらに、ボンベの上に重い物や尖った物を置かないでください。変形の原因になります」
ーー消費期限内であっても、劣化していそうなガスボンベは、使わずに捨てた方が良いですか?
「ボンベ自体が『錆ている』『変形している』ものは、劣化が予想されます。こういうものは、例え中身が残っていても、使わずに捨ててください」
ーー中身が残っているものは、どうやって捨てたらいいでしょうか?
「ガスが入ったものを捨てる際、穴を開けて抜こうとすると、ガスが噴出して途中で止められなくなり危険ですので、絶対におやめください。また、ガスが入ったまま廃棄することは、ゴミ収集車や処理場で事故が発生するため各自治体が禁止しています。捨て方はお住まいの自治体によって異なるため、必ず確認するようにしてください」
岩谷産業の方は最後に、「備蓄しているカセットボンベは、気づかないうちに消費期限を過ぎてしまいがちですが、未使用のまま捨てるとなると大変ですので、使いながら備える『ローリングストック』での備蓄をお奨めします」と仰っていました。
独立行政法人 製品評価技術基盤機構(以下、NITE(ナイト))のウェブサイトでも、カセットボンベの保管にまつわる衝撃的な動画を公開しています。
「カセットボンベをストーブやこんろ、こたつなどの熱源のそばに放置してしまうと破裂のおそれがあり、大変危険です。カセットボンベのガスの出が悪くなったからといって、意図的に温めることも絶対にやめてください。カセットこんろ使用後は、カセットボンベを取り外し、室内の 40℃未満の涼しい場所に保管するようにしましょう」
このように注意喚起しています。
さらにNITEのウェブサイトでは、中身が残ったまま誤った方法で捨てられたカセットボンベにより、ゴミ収集車で燃え上がる様子が動画で紹介されています。先述にもありましたが、中身が入っているガスボンベの捨て方は、地方自治体によって異なるため、確認してから捨ててください!
岩谷産業株式会社
https://www.iwatani.co.jp/jpn