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本屋さんが減っている今、15000冊の絵本専門店が開店 なぜ?異業種に挑戦した「わかさ生活」に聞いた

太田 浩子 太田 浩子

 『ブルーベリーアイ』などのサプリメントの通信販売をおこなう「わかさ生活」のXアカウント(@WAKASASEIKATSU)が、絵本専門店を名古屋につくったことを投稿して注目を集めました。

「【速報】弊社、1万5千冊以上の絵本を扱う絵本専門店を名古屋に完成させてしまう。」

 この投稿に「絵本専門店はすごく夢がある」「これはめちゃくちゃ行きたい」などとコメントが寄せられて、11万以上の「いいね」がつく反響に。

 近年書店の減少が伝えられているなか、絵本専門店「えほん生活 WAKASA&Co. BOOKS」が愛知県名古屋市に1月23日にオープン。貴重な書店開店に「長く営業してほしい」「頑張ってほしい」という応援メッセージや、東京や本社のある京都を含む全国につくってほしいと今後に期待する声も。しかし、なぜ絵本専門店なのかという疑問もちらほら寄せられています。担当者さんにお話を聞きました。

──15000冊の絵本とはすごいですね。

 海外の絵本なども取り扱っていたりしますが、日本の絵本がほとんどになります。ロングセラーのものから、最新の絵本まで、子どもから大人まで楽しめるような絵本を取り揃えております。

──お子さんはもちろん、懐かしい絵本を見つけて大人も楽しめそうです。

 ただ絵本を購入する場所というだけでなく、様々なイベントなども開催し、体験して楽しんでいただけるような場所を作っていきたいと考えています。

──なぜ絵本専門店にされたのでしょう。

 ビルベリー(※)の故郷フィンランドでは図書館利用者が多いだけでなく、本を贈り物として贈る文化があり、読書が「幸福な暮らしの鍵」とされています。北欧フィンランドの文化から着想を得て、絵本に特化した専門店として訪れる方に愛される場所「文化の発信地や人をつなぐ場所になれば」との想いでオープンいたしました。

※ビルベリー:北欧の野生種のブルーベリーのこと。アントシアニン量が豊富でわかさ生活の商品「ブルーベリーアイ」の原料に使われている

──書店が減少しているなかでのオープンになりました。

 本屋さんが難しいといわれているこの時代に“本の世界を変えたい”と始めたのが当社の出版・店舗事業です。もちろん主力事業に『ブルーベリーアイ』をはじめとするサプリメント事業の柱があって注力できている領域になります。ですが、将来的にはわかさ生活の注力事業の1つに成長させることができればと考えております。

 ◇ ◇

 「一般社団法人 日本出版インフラセンター」によると、2023年の書店店舗数は10918店で、10年前の約7割に減っています。

 経済産業省は、街中にある「書店」は、多様なコンテンツに触れることができる場であり、創造性が育まれる文化創造基盤として重要であるという認識から、2024年3月に「書店振興プロジェクトチーム」を立ち上げています。10月には「関係者から指摘された書店活性化のための課題(案)」を公表し、今後は政策の検討を本格化させていくことになっています。

■わかさ生活(2025年2月、京都本社に書店を含む総合体験ストアをオープン予定)
 ・HP https://www.wakasa.jp/
 ・広報部 X https://x.com/WAKASASEIKATSU
 ・えほん生活 https://www.wakasa.jp/np/nagoya/ehonseikatsu/

■一般社団法人 日本出版インフラセンター 店舗数推移(PDF) (2024年4月2日更新)https://www.jpoksmaster.jp/Info/documents/top_transition.pdf

■経済産業省:「関係者から指摘された書店活性化のための課題(案)」を公表します https://www.meti.go.jp/press/2024/10/20241004002/20241004002.html

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