「炎上するような保育園での弁当。」
そんな一文から始まる投稿が、Xで大きな反響を呼んでいる。投稿したのは、2歳の息子さんと4歳の娘さんを育てる母・かほさん。話題となったのは、息子さんのために作ったポテトが大半を占めるお弁当の写真だった。
「ポテトしか食べないであろう、たぶんこのハンバーグも残してくるぞ」
実際、ハンバーグはきれいに残して帰ってきたという。
「母親失格かも」ネガティブな気持ちの吐き出しだった
かほさんが投稿したきっかけは、後ろ向きな気持ちだった。
「こんなポテトだらけのお弁当なんて子どもに申し訳ない。母親失格だ。保育士さんからどう思われるだろう」
朝のお弁当作りの最中に湧き上がった、どうしようもない自己否定。何気なく投稿したつもりが、数日間通知が止まらないほど拡散された。炎上を覚悟していたというが、寄せられたのは温かい声だった。
「アンパンマンポテトは野菜、ポテトは炭水化物、ハンバーグはタンパク質。完璧なお弁当」
「2種類のポテトを用意しているところに愛を感じる」
特に後者の言葉には「泣きそうになりました」と振り返る。
生まれた時から“食べない子”だった
息子さんは、生まれたときからミルクをほとんど飲まなかった。授乳には1時間。物音に敏感なため、バランスボールに乗り、スリングに入れ、静まり返った部屋で与える日々だった。離乳食もほとんど口にせず、1歳半ごろまでミルク中心。偏食外来を受診したこともある。
「私はどんどんノイローゼ気味になっていきました」
食べない我が子を前に、自分を責め続ける毎日。そんな中、救いになったのがSNSだった。同じ悩みを抱える母親たちとつながり、「孤独じゃない」と思えたことが支えになったという。
“月1回のお弁当”が一番つらい
保育園では月に1回、お弁当の日がある。
ただでさえ食べられるものが少ない上、暖かくなれば衛生面も気になる。家では食べるおにぎりも、冷たいと食べない可能性がある。肉や野菜はほぼ口にしない。保育士からは「好きなものだけでいいです。楽しく食べられればそれでいい」と言われている。
「ポテトなら確実に食べる」
そう判断して、ポテト中心のお弁当になった。迎えに行く日は、いつもそわそわする。「もしかしたら完食してるかも…」と少しだけ期待するが、今回もハンバーグは残っていた。
「おぬし、やっぱりか!!!とツッコミました」
その言葉には、どこか愛おしさもにじむ。
「きっと時間が解決する」
偏食の子育ては、経験した人にしか分からない苦しさがある。
「頭では“いつか食べるようになる”と分かっていても、母親だから目の前の子どもで一喜一憂してしまう」
ミルクを全部飲めば心は平穏。飲まなければ眠れないほど不安になる。笑顔でいたいのにできない自分を責める…そんな悪循環を何年も繰り返してきた。それでも、少しずつ変化はあった。
「0が1になり、1が10になるように、食べられるものが増えてきました」
今では「まぁ少々食べなくても大丈夫か」と思える日も増えたという。かほさんは、今まさに悩んでいる保護者にこう語る。
「大丈夫。きっと時間が解決してくれる。だからこそ、今の可愛い時期をめいっぱい楽しんで。SOSは早めに出して。気持ちを吐き出すだけでも楽になります」
ポテトだらけのお弁当は、決して“手抜き”ではない。それは、2歳のわが子が確実に食べられるものを詰めた、精いっぱいの愛情だった。そしてその投稿は、多くの親の心をそっと軽くした。