キャバもホストもSNSが“生命線”! 指名と売り上げはフォロワー数で決まる 「個の力」が問われる時代へ

たかなし 亜妖 たかなし 亜妖

キャバクラやホストクラブなど、夜のお店はお客様がいてこそ成り立つ娯楽です。あふれんばかりに働き手がいても、売り上げがゼロならばお店が潰れてしまうため、集客は絶対に手を抜けないポイント。ネットや雑誌での広告や無料案内所との提携は基本中の基本ですが、店舗数が多い現代、これだけではうまくいきません。繁華街で遊ぶ人間も年々減少傾向にあるため、店が存在するだけでは売り上げを作るのは厳しくなっているのが現実です。

最近はお店の力が弱いせいか、集客をキャストに頼り切る部分は否めないとか。どのジャンルの仕事も個人のSNSアカウントが成功の大きなカギを握り、下手するとSNS集客専門店に近しいところさえあるほどです。

今のお客様たちはSNSを参考にお店選びをするため、InstagramかX、TikTokが一種の広告と化しています。雑誌や街の看板を見てふらりと遊びに行く……なんてのは、もはや昔の話でしょう。

現在では新たにキャストが入店する際、店側よりSNS運用をお願いされるのが普通となっています。どこもフリー(指名がない状態のお客様を指す)が爆発的に入らない時代ですから、お店任せでは集客がままならないようです。個人のSNS運用でお客様を呼び込むことができるのは良いことですが、キャストの仕事量が増えたので、今の夜職はやることが多くてちょっと大変かもしれません。ただし、SNSを使うのが得意な子は非常に有利で、「指名客のほとんどをインスタで掴んだ」なんて人もいます。

SNS集客の強みは、店に入ってから好みの子を決めるというステップを省き、最初から自分目当てで来てくれるお客さんを作れること。自分に興味がない相手を振り向かせるよりも営業がしやすくなり、色々と話が早いですからね。

面接でフォロワー数が合否に影響するケースも多く、顧客が少なくてもSNSが強いと採用率が上がるなんて話もちらほら聞きます。ネットでの見せ方がうまい子はどんどん新規客を取り込める可能性が高いため、店としても重宝されるのです。

夜職は個人事業主ですから、キャストが集客を頑張るのは当たり前です。とはいえ働き手の努力にあぐらをかき、個人に任せっきりのダメなお店も増えてしまいました。

今のようなネット社会になる前は、内勤と呼ばれる裏方がお客さんを呼んでお店を盛り上げるのが普通だったのですが、最近はサボり気味の人が多いと聞きます。さらに広告費をケチり、目先の売上ばかりを追ってキャストに依存→働き手が不満を持つ→離職→店内が過疎化という、悩ましい問題も起きているそうです。

SNS集客のデメリットは他にもあり、お客さんは“個人”に魅力を感じてはいるけれど、“店ブランド”には惹かれづらくなったそう。

個の力だけが発達すれば、お店を推してくれる人が少なくなるため、お目当ての子がやめたらお客様はパッタリ来なくなるでしょう。繁華街では「お店のことが好きなお客さん」が作れないと、同じお店で次の子を探すという流れがなくなるため痛手になっているのです。

このように「個の力」があるとお店は盛り上がりますが、働き手に頼り切ると衰退ルートまっしぐらなのも難しい部分といえましょう。今後はSNSだけに身を任せるのではなく、広告や看板といった昔ながらのやり方も上手に織り交ぜないと、生き残りは難しいのかもしれません。

◆たかなし亜妖(たかなし・あや)元セクシー女優のシナリオライター・フリーライター。2016年に女優デビュー後、2018年半ばに引退。ゲーム会社のシナリオ担当をしながらライターとしての修業を積み、のちに独立。現在は企画系ライターとしてあらゆるメディアで活躍中。

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