電信柱の裏に隠れていた臆病な子猫 お迎え直後、ごはんを拒否していたのに…〝初めて撫でた夜〟を境に激変 甘えん坊に

梨木 香奈 梨木 香奈

元保護猫の男の子「リョーマ」くんは、飼い主のX(旧Twitter)ユーザー・コウさん(@Ryomatan_55love)のおうちで暮らしています。

ふたりは、偶然の出会いから家族になりました。

2014年6月、飼い主さんが自宅近くでひとりぼっちで佇む子猫を見つけたことが、すべての始まりだったといいます。

「2014年6月末、家の近くのスーパーに買い物に行った帰り道でした。裏通りで、電信柱の影に隠れる小さな子猫を見つけたのです。『ひとりなの? ママは?』と声をかけてみましたが、子猫は警戒して逃げてしまい……。仕方なくその日は帰宅しましたが、家に着いてからも子猫のことが頭から離れませんでした」

翌日、同じ場所を訪れましたが、子猫の姿はなく、さらに次の日に再び足を運ぶと、電信柱の近くにぽつんと佇む子猫を発見。

「声をかけると、また逃げてしまいました。それでも、こちらの様子を少し離れた場所から伺っていました。母猫やきょうだいの姿はどこにもなく、ひとりぼっちでした」

当時、飼い主さんのおうちには2匹の先住猫がいました。そのうちの1匹は高齢だったため、子猫を迎えることに迷いがあったそうです。それでも放っておけない気持ちが勝り、保護を決意しました。

「ある日、子猫を探していたところ、近くに住む個人で保護活動してる方から声をかけられました。その方の話では、先月、野良猫が子猫を産み、その母猫が育児放棄してしまった可能性が高いとのこと。その話を聞いて、かわいそうで涙が止まらなくなりました。その方から捕獲器をおかりし、2週間かけてリョーマを保護することができたのです」

当時、生後2カ月ほどだったリョーマくん。その出会いは、コウさんにとってかけがえのないものとなりました。

リョーマくんと築いた信頼

保護した直後、リョーマくんはとても警戒しており、慣れるまでには時間がかかったといいます。

「最初は、ごはんをあまり食べてくれなかったため心配でたまりませんでした。ミルクや猫用の缶詰、湯がいた鳥のささみなどいろいろ与えて試行錯誤する日々が続き……。すると、少しずつ食べる量が増えたのです。本当にホッとしました」

リョーマくんが初めて撫でさせてくれたときの感動は、今でも鮮明に覚えているそうです。

「猫じゃらしで遊んでみたら、とてもよろこびました。そのまま、猫じゃらしを私のほうに引き寄せ、リョーマが手の届くところまで来たとき、そっとアゴをなでなで……。すると、嫌がらなかったのです。次に、頭を撫でるとゴロゴロとのどを鳴らしてくれたときはうれしくてたまりませんでした」

その夜、リョーマくんを撫でながら一緒に眠った飼い主さん。翌朝、目を覚ますと、リョーマくんは、飼い主さんの喉元に寄りかかるようにして寝ていたそうです。

「リョーマの体温を感じて、とても愛おしく思い泣きそうに……。何とも言えない幸せを感じた瞬間でした」

今、飼い主さんが伝えたい言葉とは

リョーマくんは、優しい飼い主さんに見守られながら今年10歳を迎えました。

甘えん坊で健気な性格だといいます。

「私が作業中でもそばに来てじっと待っています。その大きな瞳で見つめられると、どうしても手を止めてかまいたくなってしまうことも少なくありません。『もう少し待っててね』と声をかけると、おとなしく待っていてくれる優しい子です」

一方で、リョーマくんは独立心旺盛なところも。ひとりで過ごす時間も大切にしているようです。

「私が甘えたくて近づくと、別室に逃げてしまうこともあります(笑)。無邪気な子どもを見ているようで愛おしいです」

最後に、飼い主さんはリョーマくんへと過ごした日々を振り返りながら、こう語ってくれました。

「『あの日、私の前に現れてくれてありがとう。健康でいてくれてありがとう。そばにいてくれてありがとう。』リョーマには、感謝の気持ちしかありません」

リョーマくんと飼い主さん、ふたりが紡ぐ日々が、これからも笑顔と幸せに包まれたものでありますように。

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