ニケちゃんが、X(旧Twitter)ユーザーのジュノ@ねこねこねっと管理人さん(@juno_nekoneko)の家に迎えられたのは、2017年9月のことでした。
飼い主さんにとって、ニケちゃんは初めて一緒に暮らす猫。出会いのきっかけは、近所に暮らしていた地域猫たちです。その中の母猫が頻繁に子猫を置き去りにすることから、子猫たちは鳴き続けていました。耳にするたび、飼い主さんは心を痛めたといいます。
しばらく経ったころ、親猫を含む地域猫たちは保護団体により保護され避妊、去勢手術を受けたあとTNR(※)されました。そして、子猫たちもまた保護され、次々と里親さんのもとへ。最後に残っていたのが、ニケちゃんだったといいます。
(※Trap(捕まえる)、Neuter(不妊手術を行う)、Return(元の場所に戻す)の頭文字をとった言葉。野良猫の繁殖を抑えることを目的とした活動)
寒さは、どんどん厳しくなり本格的な冬を迎える直前でした。「このまま外で生き残ることは難しい」と考えた飼い主さんは、ニケちゃんを保護することを決意します。
飼い主さんは、ニケちゃんとの距離を少しずつ縮め、信頼関係を育んだころ、衣装ケースを改造した捕獲器で保護することに成功。ニケちゃんを連れて、おうちに帰りました。
ニケという名前の由来は、その美しい被毛の色合いが茶色と白の2色、二毛だったことから。この素敵な名前とともに、ニケちゃんとの新しい生活が始まったのです。
家での暮らしと成長
保護されたばかりのニケちゃんは、初めての環境に戸惑い、昼夜を問わず鳴き続けたといいます。
「こんなに小さな体のどこからこんな大きな声が出るのだろうと驚いたほどでした」
それでも、飼い主さんはネットで猫について調べては、実際に試してみるなど、ニケちゃんが安心して暮らせるよう工夫を続けました。そして保護から1カ月ほどが経ったある日、ニケちゃんが初めて飼い主さんの膝に乗ったのです。その瞬間を、飼い主さんは今でも鮮明に覚えているといいます。
「そのときは、うれしくてたまりませんでした。本当に感動しました」
今、飼い主さんが願うこととは
現在7歳のニケちゃんは、義理堅さと甘えん坊な性格が魅力的な男の子です。
「ごはんを食べる前には、必ず私にスリスリしてくれます。この仕草は『ごはんへのお礼なんだな』と思っています。また、撫でられるのが大好きで、よく“へそ天”になってアピールしてくれるんです。ゴロンゴロンと寝転がりながら甘えてくるその姿が、とてもかわいらしくてたまりません」
飼い主さんにとって、かけがえのない存在となったニケちゃん。ニケちゃんへの深い愛情を次のように語っています。
「『君のことは最後までお世話をするよ。だから安心して毎日を過ごし長生きしておくれ』と伝えたいです。そのために、自分も健康でいられるように気をつけたいと思います」
その言葉には、家族としてともに生きていく覚悟と、ニケちゃんへの深い愛情が込められています。地域猫だったニケちゃんが、家族の一員として迎えられ、愛情深い飼い主さんとともに過ごす日々。甘えん坊で義理堅い性格が、家族の心を温め、笑顔を届けています。
これからも、飼い主さんとの穏やかな毎日が、愛情に包まれながら続いていくことでしょう。