昨今では夫婦間での家事分担が重要視されていますが、その実態はどのようなものなのでしょうか。株式会社オレンジページ(東京都港区)が刊行する料理雑誌『オレンジページ』による読者アンケート調査によると、依然として妻の負担が圧倒的に多いことがわかりました。また、「妻がしてほしい家事」と「夫がしている家事」のギャップが最も大きかったのは「ふとん干し」だったそうです。
調査は、同誌のメンバーズ・国内在住の20歳以上の女性1245人を対象として、2024年9月にインターネットで実施されました。
その結果、「夫が家事をしている」と答えた人は全体の56.6%。しかしながら、1日のうち「家事に費やしている時間」は、妻が平日で「1〜2時間未満」、休日で「2〜3時間未満」が最多なのに対し、夫は平日で「15分未満」、休日で「15〜30分未満」が最も多いという結果に。妻と夫で時間的に大きな差があることが明らかになりました。
また、「夫婦間の家事分担の割合」でも、「妻が8割以上」の合計が77.6%と、まだまだ妻の家事負担が大きいことがうかがえます。夫が家事をしている割合を年代別で見ると、「30代」が75.5%で最も高く、「60代以上」(64.0%)と比べて10ポイント以上の差がみられました。
次に、実際に「夫がしている家事」と妻が「夫にしてほしいと思う家事」を聞いたところ、夫がしている家事は「ごみ出し」(60.0%)が最多となったものの、「各部屋のごみをまとめる」(23.1%)や「ごみの分別」(28.6%)はともに3割未満にとどまり、いわゆる「名もなき家事」は、やはり妻の役割になっている様子がうかがえます。
一方、「妻が夫にしてほしいと思う家事」では「風呂掃除」(45.8%)、「食器洗い」(38.9%)、「トイレ掃除」(38.3%)などが上位となった一方、「ふとん干し」(してほしい37.5%、している17.9%)は20ポイント近い差がついたほか、「トイレ掃除」(同38.3%、同20.3%)も18ポイントの差があり、妻の希望に対して夫の実施率が低いことがわかりました。
また、「夫婦間での家事分担についての話し合い」については、「話し合いをしている」と答えた人は27.4%にとどまり、「やってくれないストレスを感じるなら、自分でやったほうが早いと思って負担してしまう」(30代)や、「言ったところで動いてくれず、こっちがモヤモヤするだけなので結局話し合っていない」(50代)といった、あきらめの声も聞かれました。
一方で、「話し合いをしている」と答えた人のうち、47.8%が「夫の家事分担が増えた」と回答しており、話し合いをしてみるのも一定の効果はあることがうかがえます。
なお、夫婦の家事分担については、「満足」と答えた人が50.9%、「不満」と答えた人が49.1%と、ほぼ半々の結果となりました。