「異形ゆえ、なかなか良さ伝わらず」生産中止のたび愛用者からクレームが入る掃除グッズ 発売後24年で廃番→復活くり返す

金井 かおる 金井 かおる

 「なぜこんないい商品を生産中止にするのか」ーー廃番になるたびに顧客から「お叱りの電話」が入るという掃除道具があります。清掃用品メーカー「アズマ工業」(本社、静岡県浜松市)が販売する床掃除専用ワイパー。同社の清掃タイムには社員で取り合いになるほどの人気グッズですが、発売後20数年で廃番、復活をくり返しています。「異形ゆえに、なかなか良さが伝わらず」と嘆く同社に話を聞きました。

お叱りの電話「なぜこんないい商品を」

 2018年10月発売の「FL374階段にも便利なスポンジワイパーF」。一般的なフロアワイパーは板状のヘッド部分が主流ですが、同商品は三角形状のスポンジヘッドが特徴。階段や部屋の隅の拭き掃除を得意とし、壁と床の境目にある建材「巾木」の段差部分にたまったホコリもしっかりかき出すといいます。

 「(他の)市販品より軽量。床面や隅にもしっかりフィットするので効率的です。スポンジヘッドの先端部分で掃くようにお掃除することもできます。シートで取り切れなかったほこりやごみも簡単に集めることができます」(同社)

 初代が発売されたのは2000年11月。当時は「ハフキトーレ」の名で売り出しました。その後、20数年の間に改良やバージョンアップを何度も重ね、商品名も変更しながら現在の形に至ります。

 2023年は年間4923個を売り上げ、これまでの累計販売数は30259個。一部の愛用者には根強い人気があるようで、生産中止になると「『なぜこんないい商品を生産中止にするのか』とお叱りの電話をいただきます」。

 他にも「お友達におすすめしたいと思っていたのに」「残念です。今使っているものを大事に使わないと」などの声が寄せられるそう。中には担当者が廃盤を伝えると、電話口で絶句する顧客もいるのだとか。また、社内でも愛されており「我々社員も大好きな商品で、毎朝のお掃除には取り合いになります」。

 こだわりの商品なのになぜ何度も生産中止になるのか。原因について同社担当者は「フローリングワイパーに見えない異形ゆえに、使い方や良さがなかなか伝わらないのだと考えています」と話します。

 目指すところは。

 「商品ファンの皆さまのためにも、『発売何十周年』と言われるような息の長い商品でいて欲しいです」(同社)

 「FL374階段にも便利なスポンジワイパーF」は税込み1780円。市販のドライ、ウェットシート(約30×20センチ、各社共通サイズのもの)が使用可能。伸縮柄約69〜108センチ。本体重量約270g。

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