離婚しても晴れやかな気持ちにはなれない娘への思い
――養育費や面会交流については、どうなったのですか。
養育費は月々2万円を支払ってもらっていて、面会交流は移動時間を含めて約5時間確保し、3カ月に一度は泊まりで面会しています。調停中も弁護士を介して面会交流を実施していたため、離婚後もそのフォーマットで運用している形ですね。
――娘さんには離婚についてどのように説明されましたか。
特にしていません。娘はすごく空気を読むタイプで、小学校3年生の今日に至るまで「なんでお母さんと一緒に住んでいないの?」といった説明を求めたことがないんです。面会交流の後も「今日は何をしたの?」と聞くと、「〇〇に行ったよ」と答えますが、母親の話を自分からすることはありません。
彼女なりに「聞いてはいけない」と思っているようで、私はそれがとても心苦しくて。子どもには何の罪もないのに、他の子と違って母親がいない環境で育てていることに対して、申し訳なさを感じています。
離婚前に望んでいた通り、相手と別れ、子どもの親権を得て一緒に暮らせているものの、「離婚して幸せ」という感覚でないことは確かです。それよりも、「毎日子どもに寂しい思いをさせているのではないか」と今も思い悩み続けています。
――離婚後、住環境や働き方に変化はありましたか?
今は私の妹と一緒に暮らしています。
週の半分はリモートワークができて、出社日はほぼ定時で帰り、娘と妹だけの時間がなるべく短くなるようにしています。妹も働いているので頼りきることはできず、別居してから一度も飲み会に行ってないんですよ(笑)。
仕事が忙しい時は、朝4時頃から“朝残業”をしたり、子どもが寝た後に残業するなど調整して、子どもと過ごす時間を大切にしています。職場の方々には、離婚前から相談していたこともあり、家庭の状況を考慮して仕事量や内容を調整し、最適なポジションにアサインしてもらいました。職場のサポートにはとても感謝しています。
「子どものための再婚」はあり得るのか
――将来的に再婚を考えることはありますか。
いや……悩みますよね。「“母親”という存在が身近にいる方が娘の成長にとって良いのではないか」と思い、マッチングアプリに登録してみたものの、子どものために結婚するという形が本当にあり得るのかと考えてしまいます。
結局、母親としての機能だけを期待しているようにも感じますし、そんな結婚を受け入れる女性もいないでしょう。私自身、結婚に対して苦手意識を持ってしまったのかもしれませんが、今は再婚を考える気持ちにはなれていません。
――妹さんの助けがあるとしても、シングルファザーとして娘さんを育てていく上で、不安や心配なことはありますか?
現時点で大きな不安はありませんが、娘が成長するにつれて、体の発達について男親に相談しづらくなることもあるかもしれません。その際には、一緒に住んでいる私の妹に相談してくれると良いのですが、妹が結婚や仕事の都合で離れる可能性も考えられるので、そうなった場合は心配です。
幸い近所に家族ぐるみで仲良くしている友人がいるので、今後も頼りにできる人たちを地域に増やしておきたいですね。
ただ、気になるのは、統計的に母子家庭よりも父子家庭の子どもが非行に走る割合が高いというデータです。父親が子どもと一緒に過ごす時間が少なく、愛情不足によって子どもが孤独を感じることで、そうした状況に陥りやすいのかもしれません。
もちろん、統計データはあくまで数字で、我が家がどうなるかは別の問題だと理解していますが、そうならないように娘と一緒に過ごす時間を多く作り、愛情をしっかりと伝えながら育てていけるよう父親として今後も向き合っていきたいです。
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