大阪府在住の仲野さんは、2022年5月、東大阪にある工場で生まれたばかりの子猫たちと出会いました。その時、彼女は知人から「母猫も見当たらず、生後数日の子猫がいる」と連絡を受け、放っておくと命の危険があると感じ、すぐに家に連れてきてもらったのです。
知人は猫アレルギーがあり、生まれたばかりの子猫は亡くなる可能性が高いので、赤ちゃん猫を育てた経験者の仲野が見るしかありませんでした。子猫は4匹いましたが、さすがに4匹は大変なので、京都のボランティアさんと2匹2匹に分けて面倒を見たそうです。
仲野さんが迎えたのはまだ体の小さな2匹、エヴァくん(兄)とニコちゃん(妹)。「正直、想像以上に小さくて不安だった」と仲野さんは振り返ります。初めて会った時の2匹は、まるでハムスターほどのサイズ。少しの動きでも命に関わりそうなその小ささに驚いたそうですが、それでも彼女の心には「救える命は無理してでも救いたい」という強い思いがありました。
初めて家に来た日の2匹は、ぐったりすることもなく、小さな声でひたすら鳴いていました。その姿に仲野さんは安心しつつも、この子たちを守るためにできる限りのことをすると決意したのです。
名前は、少しユニークな由来があります。仲野さんのご主人が当時ハマっていたパチンコ台の『エヴァンゲリオン』と『ユニコーン』から「エヴァ」と「ニコ」と名付けたのです。偶然とはいえ、この2匹にはぴったりの名前になりました。
成長したエヴァは、元気いっぱいでまるで犬のような性格。遊んでほしい時にはおもちゃをくわえて持ってくるだけでなく、無視すると肩を叩いたり、腕を引っ張ったりして注意を引く可愛らしい一面があります。一方のニコは、人見知りな甘えん坊で、頭が良く、まるで人と会話しているかのような鳴き声を見せます。言葉をかけるとそれに応じた動きを見せ、特に「ゴロンして」と言うと、その場で寝転ぶのが得意な芸だとか。
仲野さんには、エヴァとニコを迎える前にも6匹の猫がいましたが、彼女にとって猫は何匹いても幸せな存在です。周りからは「大変だろう」と思われがちですが、猫たちがもたらす幸せはそれ以上に大きく、彼女の生活に活力を与えています。守るべき存在があることで、仲野さんは自分自身を強くしてくれたと語ります。「猫への責任感が、今の自分を作ってくれている」と、その感謝を言葉にする仲野さん。エヴァとニコ、そして仲野さんの大切な日々は、今日も彼女の生活に笑顔を届けています。