「ヴィレヴァンはいつでも君の味方だよ」大幅赤字と店舗閉鎖で窮地のサブカル聖地、全店舗をまわる愛好者が語る「人生を救ってくれた居場所」への思い

はやかわ リュウ はやかわ リュウ

モール内の店舗にも、それぞれの個性や面白さが

ヴィレ全さんに伺ったところ、「仕事で全国を移動する合間に、再び訪れてみようと思い立ったこと」に加え、路面店が減少し、モールへの出店が増えたことでサブカル度が薄れた…といった批判の声が多くなったことも、VVの全店をまわるきっかけになったという。

「全国の店舗をまわって店員さんたちと話していると、どうも売り上げがあまり良くない、雇用条件も悪くなっている、ネット上ではかつてのVVへの郷愁と現在のVVへの批判などが増えている、といった声を耳にしまして……。でも実際は、店舗それぞれ個性が違って、面白い点がたくさんあります。

何よりも、子どもの頃にいろんなサブカルチャーに触れるきっかけとなった店なので、自分に何か出来る義理の果たし方はないか?と思い立ったことが大きいですね。VVで出会ったいろんなサブカルチャーによって僕のアイデンティティは育まれましたし、同じような人たちはたくさんいたはず。文化的育成の場となってくれた母校への恩返し的な感じ、でしょうか」(ヴィレヴァン全店まわるひとさん)

白川社長「ヴィレ全さんの投稿、拝見してます」

VVの株主でもあるヴィレ全さん。去る8月に行われた株主総会に出席した際の様子(前編・中編・後編)をXに投稿したところ、大きな反響があったそうだ。

その際、白川篤典社長から、「(ヴィレ全さんのXアカウントを)「拝見させて頂いております」「僕らでも300店舗まわるのは不可能に近い」「面談の場は設けているが、忖度してしまうのでうちの従業員の話を聞かせて頂けるのはありがたい」と、直々に言われたそうだ。

「現況に対する挽回策として、白川社長はPOP UPストアとECサイトによる利益確保をメインにお話されていましたが、ここまで拡大した赤字を本当にそれだけで取り戻せるのか?という疑問はありました。それと、株主総会レポをXに投稿した辺りから、VVの店員さんたちからDMがたくさん届きまして。そこには、株主総会で社長が説明されていることについて違和感がある、現場の状況を把握出来ていない、といった不満がたくさんありました。現場と経営陣によるズレを感じましたね。

白川社長には株主総会でもお伝えしましたが、もうちょっと下の意見も聞きつつ、とにかく賃金を上げたってほしいですね!まぁ立場上、彼も本当にしんどいとは思うのですが、もう少し現場とコミュニケーションを取ったり、説明をしてあげてほしいです。社長というよりも、営業部の社員さんたちへの話かもしれませんが…」(ヴィレヴァン全店まわるひとさん)

店員さんたちへ「VVに救われた人がたくさんいるよ」

株主総会に出席した理由について、「(店員さんたちに)クーデターを起こしてほしいわけじゃなくて。幹部と現場の深い深い溝を少しずつ埋め立てるきっかけにして和解してほしい」「僕は株主として、ヴィレ全として、ヴィレッジヴァンガードというお店がいろんなサブカルチャーの図書館であるように、さらに楽しい店舗が増えることを願っています」と、Xに投稿していたヴィレ全さん。

「今回の投稿を通して、僕と同じようにVVに救われた人がたくさんいることがわかりましたから、その方々には今一度、”帰省”だとでも思って、近くのヴィレヴァンに行ってあげてほしいです。で、出来ればそうやって自分が救われたと思う経験を、店員さんたちに言葉で伝えてあげてほしい。もちろん人によっては何十年も前の経験だったり、当時の店員さんはもうとっくに店にいないかもしれません。でもそういう特殊な体験をVVでしたんだよっていうお話は、今働く彼らのモチベーションになるかもしれませんから。

自分たちも今、イオンのVVに来ている子どもたちの人生を変えるような、すごい売場を作っているのかもしれないんだ……と、彼らにそう思わせてあげてほしいです。今、店員さんたちは本当に激務な上、昔のように自由な売場作りが出来なくなってきていますから。少しでも彼らの励みになるように伝えてあげてほしいです」(ヴィレヴァン全店まわるひとさん)

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