小さな顔にキラキラ光る大きな目、礼儀正しいあいさつの直後にほころぶ愛らしい笑顔…。少女漫画から飛び出してきたような姿に驚かされた。“日本一イケメンの高校1年生”を決める大規模コンテスト「高一ミスターコン2024」でグランプリに選ばれた岡山市の斉藤天彦(はれひこ)さん(16)。男子高校生全体を対象にした「男子高生ミスターコン」の最終審査出場権も手にしており「2冠をつかみ、芸能界で活躍したい」と夢を描く。
「拍手と歓声で気分が上がり、緊張を上回った。堂々と自分らしくいられて、とにかく楽しかった」
結果が発表されたのはZ世代のための日本最大級のファッションイベント「TGC(東京ガールズコレクション) teen ICHINOSEKI2024」(6月、岩手県一関市)のステージ。大舞台を振り返る言葉にスター性がにじむ。
ミスターコンはオーディション事業を手がける東京の企業が主催。2015年に始まった「男子高生」には例年約2万5千人、翌16年からの「高一」は約2千人が全国からエントリー。いずれも若手発掘の場として注目され、グランプリを足掛かりにドラマや戦隊ヒーロー役で活躍する「先輩」もいる。
斉藤さんは母親と妹がそれぞれ、ミセスやキッズ対象のコンテストでファイナリストや準グランプリになったことがあり「芸能界に興味があったので軽いのりで応募した」。エントリー後は料理動画の投稿などSNSに打ち込んで支持を集め、ファイナリストの7人に選ばれた。
「絶対グランプリになる」と自分に言い聞かせて臨んだ発表日だったが「他のファイナリストに実際会うとみんなかっこよくて、無理かも」と少し不安もあったそう。それだけに名前を呼ばれてうれしさを爆発させたのかと思ったら「ファイナリスト同士で仲良くなっていたので申し訳ない気がして素直に喜べなかった」と気遣いを見せる。
会場で「岡山から来ていて、こんな田舎者でも賞が取れるので、皆さんもぜひ挑戦してみるといいと思います」とした受賞コメントを「挑戦してみてくださいと言いたいのにミスった。“上から目線”みたいになった」と後悔する真面目な面も。改めて地元の同世代に「挑戦してみないと何も始まらない。軽いのりでもいいので、まずはチャレンジしてみて」とエールを送る。
10月から男子高生ミスターコンの審査を兼ねたレッスンのため、毎週土、日曜に上京する。11月末の発表に向け再び努力の日々だ。「ダンスと演技を学ぶのが楽しみ。俳優になりたいので仮面ライダー役を目標に全力で頑張る。子どもが好きで母親の友人の小さい子に『仮面ライダーに出てほしい』と言われたんで目指すしかないなって」
この日一番の明るい声で言い切った。