「タイ~ヤマルゼン タイヤマルゼン、ホイ~ルマルゼン ホイールマルゼン」。男性社員がタイヤを転がす独特のCMでおなじみの会社「カーポートマルゼン」(本店・大阪)。そのCMをモチーフにしたアクリルスタンドが、SNSで話題になっている。
「これ欲しい人いますか?」とXに投稿したのは、同社の米岡功二社長。「見るだけで頭の中で歌が流れる」「CM同様に三つ並べてみたい」とネットユーザーの反応は上々で、「いいね」は3万件を超えた。
歌いながらタイヤを転がすCMの全国放送が始まったのは、15年ほど前から。3人のうち中央で出演しているのが、当時枚方店(大阪)の販売スタッフだった米岡社長だ。4年前に社長に就任し、「タイヤを転がしていたイケメンのお兄さんが社長になった」と、当時SNSで話題になった。
米岡社長は自らを広告塔としてSNSやYouTubeなどネットでのPR戦略にも力を入れている。このたび「タイヤマルゼン よねチャンネル」のYouTube登録者数が3万人を突破したことを記念し、プレゼントとして考案したものだそうだ。
「正直、ネタ的な意味合いと言いますか、面白いものをプレゼントしてクスッと笑ってもらおうという軽い気持ちで作りました」と米岡さん。「自分自身のアクスタを作るのはナルシストみたいで抵抗があって嫌だった」そうだが、予想以上の反響に驚いたという。「同時に、それほど愛されるCMだったのかと再認識することが出来ました」と喜ぶ。
SNSでは「有料でも買いたい」「売ってください」といった声も多く、キャンペーン後も数量限定でネット販売することに決めた。価格は1つ1500円程度を予定しているという。販売の詳細は米岡さんのX(よね社長@タイヤを転がす人@yoneoka_koji123)で後日告知予定。
奇抜CMの誕生秘話
インパクト抜群のCMが生まれたきっかけは、映像制作会社からの提案だった。それまでの同社のCMは商品の紹介やお笑い芸人を起用したものなど、ごく一般的なもの。そんな中「タイヤを転がして歌いながらスタッフが登場するCMはどうか」というアイデアが生まれた。当時、大阪・枚方店の販売スタッフだった米岡さんは撮影当日に現場でこの演出を知らされたそうだ。内心では「そのCMいける?(笑)」と不安もあったというが全力でタイヤを転がし、何度も撮り直して社員3人の動きを合わせた。
「当社は幸い小売業で客商売ですので、スタッフが出演することで親近感も湧き距離感を縮めることができたと思います」「なおかつ強烈なリズムとビジュアルが見た人の脳裏に焼き付いたのではないでしょうか」と米岡さん。現在も若干の変更はあるものの同様のCMを作り続けており、自身も出演を続けている。
米岡さんは「決して目立ちたいわけではないのですが、半ばプロ根性でやっています」と苦笑する。長きにわたってCMが全国放送されているだけあり「各地の居酒屋やコンビニ、スーパー、公園…色々なところで気づかれます」。CM本数が多い関西の方が気づかれる率は高いという。
呼び止められ方は「あ、タイヤ転がしてる人だ」「あのCMの人だ」「タイヤ人間だ」「タイヤころころニキだ」などさまざま。最近ではYouTubeチャンネルの知名度も上がってきた影響で「タイヤのYouTubeの人」と言われることも多いそうだ。
米岡さんは「これからも笑顔でタイヤを転がしながら、人々に車の楽しさを伝えていきます」と話している。