災害時の備えとして、保険証のコピーを持ち歩くことが一般的ですが、医療関係者向けに情報発信する「新薬情報オンライン | パスメド -PASS MED-(@shinyaku_online)」さんは、持病がある方には「おくすり手帳」の携行が不可欠だと、Xで呼び掛けています。
「南海トラフの件で臨時情報が発表される可能性がありますが、避難時には必ず『おくすり手帳』を携行してください!!!!持病がある人は、処方箋なしで薬を手配してもらえます!!!薬剤師とのお約束だよ!!!」
おくすり手帳は保険証と同様、災害時の持ち出し荷物に入れておくべきアイテムです。新薬情報オンライン | パスメド -PASS MED-さんは、「処方内容が安定した慢性疾患であれば、通常の医療機関が機能していない場合でも、保険調剤で薬を渡せる」と説明しています。これは、特に命に関わる慢性疾患を持つ人々にとって、避難生活を安全に過ごすための大きな助けとなるでしょう。
詳しく話を伺いました。
「慢性病の場合、保険調剤で薬を処方してもらえます。慢性病と聞くと症状が安定していると考えられがちですが、実際には薬を飲み続けているからこそ安定しているのです。特に高血圧や糖尿病、慢性心不全などは、薬を服用しないと生命の危機に直結することがあります。おくすり手帳を持っていれば、避難所や搬送先の病院で、専門家がすぐに適切な判断を下せます」
さらに、避難所で医師や薬剤師におくすり手帳を見せることで、適切な処置が受けられる可能性が高まるそうです。「例えば、患者さんが『血圧の薬を飲んでいたけど、まあ飲まなくてもいいか』と思っても、実際には心不全治療のために飲んでいる重要な薬であることがあります。また、避難所で大怪我をして血が止まらない場合、抗凝固薬を飲んでいたことがわかれば、止血の方法が変わることもあります。医師や薬剤師が手帳を確認することで、患者さんが意識を失っていても、正確に医療処置が行えるのです」
この投稿には、「今はマイナ保険証があって、それに全て記録されているからそれではダメですか?」という質問も寄せられました。
「災害時にはスマホやマイナンバー保険証のデータが利用できない可能性もあります。そのため、紙のおくすり手帳を持っておくことが一番です。コピーでも構いませんが、紙のおくすり手帳を用意しておくと安心です」と新薬情報オンライン | パスメド -PASS MED-さんは推奨しています。
この制度は厚生労働省からの通知が発出された場合に限り利用でき、原則としては「医師に電話などで確認が取れた場合」にのみ処方箋なしでの調剤が可能です。しかし、災害時には医師との連絡が困難なケースも想定されており、その場合でもおくすり手帳があれば、症状が安定している限り、薬の調剤が可能となります。
災害時に命を守るためにも、おくすり手帳を常に携行し、いざという時に備えましょう。