富士山噴火による被害金額は1兆2千億円〜2兆5千億円と見積もられており、火山灰の特性から、その撤去を含む復旧にかかる期間は長くかかると想定されています。株式会社JX通信社(東京都千代田区)が実施した「富士山噴火に対する企業の防災意識と対策」に関する調査によると、企業の約6割が富士山の噴火は事業継続における「リスク」と認識している一方で、自社の対策が「十分だと思う」とした割合はわずか5%にとどまることがわかりました。
調査は、国内の企業で事業継続計画(BCP)関連業務に関係している543人を対象として、2025年11月にインターネットで実施されました。
記録に残る富士山の最新の噴火は、1707年の宝永大噴火であり、300年以上が経過しています。つまり、富士山噴火は、近代日本がまだ経験したことのない「未曽有の災害」であり、現代の高度に発達した都市への影響は、南海トラフ地震や首都直下地震に並ぶ「国難級災害」として甚大なものであると考えられます。
そこで、「富士山噴火のリスク想定」を尋ねたところ、「大きなリスクがある」と答えた企業は31%、「多少のリスクがある」は28%と、約6割がリスクを認識している一方で、「自社の対策」について、「十分だと思う」と回答した割合はわずか5%にとどまることが明らかになりました。
また、勤務先のBCPの中で「具体的に対策を講じている災害」として、「大きな地震」(74%)や「台風・風水害」(56%)を挙げる企業が6〜7割に達する一方で、「富士山などの火山噴火」を想定しているという回答はわずか13%にとどまりました。
さらに、「富士山噴火への備えが進まない理由」を尋ねたところ、「どの程度の被害を想定すべきかわからない」(17%)や「具体的な対策方法がわからない」(13%)、「地震・風水害を優先している」(12%)といった意見が上位に挙がりました。
次に、「富士山噴火によって自社の事業に影響があるリスク」を尋ねたところ、「物流網の停止」(50%)、「通信障害」(49%)、「交通網の麻痺」(46%)、「電力の途絶・不安定化」(43%)が上位に挙がり、サプライチェーンへの影響や、社内や顧客・取引先とのコミュニケーションへの影響に懸念があることがわかりました。
最後に、富士山噴火の対策として「期待する外部の支援」を尋ねたところ、「被害状況を把握できる情報サービス」(55%)や「政府・自治体の被害想定の発信」(51%)などに回答が集まり、「情報」を求める傾向が強いことがわかりました。