陰毛を剃っていたら、右側の睾丸(こうがん)が2回りほど肥大していることに気付いた―。ある会社員男性(30)のXへの投稿が、注目を集めている。その後、男性は泌尿器科を受診。精巣腫瘍と診断され、その日のうちに切除手術したという。「みんなもキンタマに違和感あったらすぐ病院に行けよ!」と綴った思いを聞いた。
午前9時半に受診し、午後3時半に手術
中国地方で暮らす男性。定期的に陰毛を剃るタイプで、7月半ば、処理中に異変を感じたという。痛みはないけど、何だろう…。ネットで調べて浮かんだのが、精巣がんの可能性だった。
「親族に精巣がんの人はいないですし、10万人に1人という発症率に自分が入るなんて…と実感が湧かなかったんです」と男性。9月にでも診察に行けばいいと考えていたが、友人や同僚に話すと、すぐに受診を勧められた。
7月25日、泌尿器科での検査中、よくない雰囲気がにじみ出ていたという。「もう1回、超音波しますね」と検査を繰り返され、「結婚されていますか?」と質問された。そして、医師に告げられた。「精巣に腫瘍があります。このような場合は9割が悪性ですね。精巣がんは進行が速いので、今日すぐに手術した方がいいです。両親を呼べますか?」
午前9時半に受診したのに、うまく事態が呑み込めない中、午後3時半に手術へ。早期発見という見方で、現時点で転移は確認されていないという。
再発は2割ほど
手術の翌日、男性はXに自身がベッドに横たわる写真を添え、精巣腫瘍が見つかった経緯をつづった。「陰毛を剃っていたらキンタマが片側だけ大きくなっているのに気付く→泌尿器科を受診する→精巣腫瘍(おそらく癌)と診断され、家族を呼んで当日中にキンタマ切除手術を受ける。朝9時半に病院行ったら、15時半には手術でした!皆もキンタマに違和感あったらすぐ病院行けよ!」
「正直に言うと、やけになっていました。真剣に書くとつらくなるので、明るく書いたんです。自分の体験が役に立てばとも思いました」と明かす。
今は、がんかどうかを調べる生体検査待ちという。医師の説明によると、がんの場合、約2割が再発するといい、「2割って大きい数字だと思うし、この先、何年も再発の可能性に怯えながら過ごすのは気落ちするなとか、子どもはつくれるのかなとか…いろいろ考えます。でも、見つかったのは不幸中の幸いです」
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【精巣がん】国立がん研究センターによると、精巣がんにかかる割合は10万人に1人程度。20~30代の男性がかかる固形がん(白血病などの血液腫瘍以外のがん)として最も多く、若年者に多い。初期症状はほとんどなく、精巣に無痛性のしこりができたり、腫れたりして発見されることがほとんど。痛みや発熱などの自覚症状に乏しいと言われ、下腹部の重圧感や鈍痛(30~40%)、急性の精巣痛(10%)がみられることもある。進行が早く、比較的早い時期に転移するため、転移による症状(腹痛、腰痛、呼吸困難、首のリンパ節の腫れなど)で気づく場合もある。