今年も暑い夏が始まりました。夏だけではありませんが、気温が上がってくる季節になると、子どもの車内放置による痛ましい事故が毎年報道されます。にもかかわらず、子どもを車内に残してしまい、熱中症になる事故は後を絶ちません。
JAF(一般社団法人 日本自動車連盟)の公式Xアカウント(@jaf_jp)では、「真夏の車内温度の上昇を防ぐ対策がどれくらい有効か」と「短時間であれば、子どもを車内に残しても安全か」などの実験を行った結果を投稿しています。それによると、「サンシェードや窓開けなどの対策をしても車内温度はすぐに上昇する」という実験結果が出ており、「子どもを車内に残さないようにしましょう」と呼びかけています。
5パターンの車で実験~対策しても車内温度の上昇は防げない~
①:何も対策をしていない黒の車
②:何も対策をしていない白の車
③:サンシェードを装着した白の車
④:窓を3cm開けた白の車
⑤:エアコンを作動させている白の車
JAFの実験では、上記のような条件の異なる5台の車(ミニバン)を用意し、炎天下に駐車したときの車内温度がどのように変わるか測定しました。
具体的には、天気は晴れ・気温35度の日に、各車両の室温を25℃に揃えたのちに、炎天下の駐車場に午後12時から4時間駐車。その際の温度変化から、以下のような検証を行いました。
・「サンシェードの装着」や「窓を開ける」などの対策で、車内温度の上昇は防げるか?
・短時間であれば、子どもを車内に残しても安全か?
◇ ◇
まず、「サンシェードや窓開けで車内温度の上昇を防げるか」のテストですが、「防ぐことはできない」という結果が出ました。
特に対策をしていない黒の車の車内最高温度は57度でしたが、サンシェードをしている車でも最高温度は50度、平均温度も45度という結果に。また、窓を開けていた車でも、最高温度が45度、平均温度も42度と、「人や動物が耐えられない温度」となりました。
エアコン停止からわずか15分で熱中症危険レベルに!
次に、「短時間であれば、子どもを車内に残しても安全か?」というテストですが、エアコンを停止してからわずか15分で熱中症の指数が「危険レベル」に到達するとの結果が出ています。
JAFのホームページでも、コンビニやスーパーなどの駐車場で車内に残すのは「大変危険である」と警告しています。乳幼児は体温調節機能が未発達で、短時間で体温が上昇するため、少しの時間でも命の危険があるとのこと。また、危ないのは子どもだけではありません。体温調節の機能が低下する高齢者の方にも注意をするよう訴えています。
▽出典
JAF公式アカウント/「短時間で車内温度が上昇!」
https://x.com/jaf_jp/status/1808410350469144823
▽出典
JAFホームページ「真夏の車内温度(JAFユーザーテスト)」
https://jaf.or.jp/common/safety-drive/car-learning/user-test/temperature/summer