440グラムの子猫を玄関前で保護して…それから10年「うちの子になってくれてありがとう」我が子と愛猫を育てた温かな日々

古川 諭香 古川 諭香

愛猫と歩んできた月日が長くなるほど、家族に迎えた「うちの子記念日」は、よりかけがえのない日になるもの。10年前の6月にルシウスくんを保護した、だぬ彦さん(@ofukunenelucius)はこれまでの感謝をSNSに投稿しました。

突然の出会い

2014年6月20日の午後、飼い主さんは玄関前でルシウスくんを保護。片手で持てるほど小さかったルシウスくんは目がショボショボしており、近づいても逃げず。突然の出会いに戸惑いながらも健康状態を心配し、動物病院へ連れて行きました。

保護当時の体重は、わずか440グラム。獣医師からは生後1 〜1.5カ月ほどと告げられました。

「猫風邪をひいていたようで、薬を処方されました。また、検便では猫回虫とコクシジウムがいることが分かり、投薬治療も始まりました」

当時、自宅には三毛猫の於福ちゃん(6歳)と茶トラのねねちゃん(3歳)が暮らしていたため、ルシウスくんにはリビングの外に置いたケージで過ごしてもらうことに。

甘えたい盛りのルシウスくんは飼い主さんがそばに行くたび、元気な声でニャーニャー。幸いにも食欲や元気はあり、ケージから一時的に出しておもちゃで遊ぶと、一生懸命じゃれてくれました。

被毛の色も変化!先住猫との距離感を学んだ子猫期

その後、治療を終えたルシウスくんは先住猫たちに甘え、遊びたがったそう。しかし、先住猫たちはルシウスくんの押しの強さに辟易し、怒ることも…。

それでも、ルシウスくんはめげず。一緒に過ごすことを好み、徐々に適度な距離感を掴んでいきました。

「体をくっつけるまではいきませんでしたが、かなり近くで昼寝をすることが多くなりました。寝ている先住猫へ静かに近づき、一緒に寝ようとする姿は、とてもしおらしくかわいかったです」

シャム系の猫は成長に伴って、被毛の色に変化がみられるもの。ルシウスくんの場合は保護当初、全体がクリーム色で耳や鼻周り、足先、尻尾の先が薄めの焦げ茶色でしたが、2カ月半ほど経つと、焦げ茶色は濃くなり、面積が広がりました。

「出産のため10日ほど家を空け、帰宅したら毛の色が変化していたので、とても驚きました。クリーム色と焦げ茶色の割合は年数が経つにつれて逆転し、焦げ茶色が強いシャムミックスになりました」

我が子と愛猫を育てた日々を振り返って…

ルシウスくんは、穏やかで少しビビりな性格。顔が大きく、男の子らしい見た目ですが、意外にもハイトーンボイス。ギャップを感じさせるかわいい声に、飼い主さんはキュンとしています。

なお、先住猫たちが亡くなってからは、より人家族に甘えるように。

「先住猫がいた頃は人間がリビングに入っても、昼寝中ならそのまま寝ていましたが、先住猫がいなくなってからは飛び起きて寄って来るようになりました」

飼い主さんは、愛猫の保護と自身の出産が重なった10年前を思い出すと、温かい気持ちになります。

「今思えば、人間の育児をしながら先住猫と新たな幼猫をお世話したことは、とても貴重な体験でした。猫育てによって、育児のストレスが少し軽減されていたような気もします」

そんな日々が送れたのは、我が子も猫たちもみな健やかな状態でいてくれたから――。そう感じている飼い主さんは幸せだったこれまでの日々に感謝をし、ルシウスくんと過ごせる今を大切にしています。

10年後、再びルシウスくんの「うちの子記念日」を祝う微笑ましい投稿が見られますように。

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