テレビゲーム以外何も手につかない…子供の“ゲーム依存”を防ぐには?「我が家のことかと思いました」

竹中  友一(RinToris) 竹中 友一(RinToris)

「『うまいこと子育てされているなあ』と思っていたご家庭があった。そこの子は野山を駆け回り、虫を捕まえたりトカゲを育てたりと、自然に親しんで遊んでいた。ああ、こんな育て方したいよなあ、と思っていた」

子育てや人材育成などに関する書籍を出版されている、作家の篠原信さん(@ShinShinohara)。この度、X(旧Twitter)やブログに子育てについての投稿を行い、その鋭い指摘に多くの人々が注目しました。

それは、子どもの多くがハマりやすい、“テレビゲーム”に関する内容です。 

中学生の頃に突然ゲームにハマり、依存症に…!

篠原さんのお話は、とあるご家族の事例からはじまります。

そのご家庭のお子さんは、小さい頃から野山を駆けまわり、虫を捕まえるなど、自然に親しみながら遊んでおり、篠原さんも「こんな育て方したいよなあ」と思われていたそうです。

ところがそのお子さんが中2の頃、事態は一変します。友達のところでテレビゲームをやらせてもらったところ、それに完全にハマってしまいました。その子の家にはテレビゲームがありませんでした。それで、毎日のように友達の家に押しかけては、何時間も遊んでくるように。

さすがに他人の家にご迷惑をかけてはいけない――と、その子の親御さんも、とうとう子供にゲーム機を買ってあげました。すると、そのお子さんは、ゲームから離れられなくなり、勉強にも手がつかないような状態に。ゲーム依存症になってしまったのです。

篠原さんに聞いたところよると、そのお子さんはその後ゲームを作る世界に進んだとのことで、結局はうまくいったようです。また、近年では、“eスポーツ”のようなプロゲーマーの門戸も広がっており、その点ではゲームに熱中することは必ずしも悪いことではありません。

しかし、すべての子供がそうなれるわけではないのもまた事実。ゲームに没頭するあまり、他のことが手につかなくなり、その後の人生を狂わせてしまう危険性も十分にあります。

子供とゲームをどのように付き合わせるかは、子育てのうえでとても重大なテーマといえるでしょう。

このような篠原さんの指摘。Xのリプ欄にもたくさんの反響がありました。

「一瞬、我が家のことかと思いました」
「元ゲーム依存者ですが、ポイントの1つは『代償行動』かと。親と遊びたい寂しさを紛らわせるためにゲームをやっていましたが、所詮代償、別のものでは心は埋まらない。どんどんのめり込んでしまったんです」
「教育方針は子供の特性次第で正解にも不正解にもなり得るので、親は柔らかい頭と広い心で接したいものですね」
「今ちいさなお子さんがいて、この問題に正面から取り組んでいる方も、これからの方もちょっと真剣に考えるべき案件ですね」

否定されると子供はやりたがる

恐ろしい“ゲーム依存”になってしまったお子さんの話。

篠原さんは、親がゲームを“否定”していたことが、子供が依存するようになった原因ではないかと考えています。

「そのご家庭は、ゲームに対して否定的な考え方をしている以外は、特に問題ないようにみえていました。しかし事実上、ゲームを禁じていたという生育環境が、ゲームにのめり込む原因になったのだろうと感じています」(篠原さん)

子供はアマノジャク――そのように語る篠原さん。親が否定的になると、子供はそれにむしろ魅入られやすくなってしまうといいます。その点で、ゲームに対しても、否定的な考え方を持たないほうが良いのかもしれません。

一方で、篠原さん自身は子供の頃、そのお子さんとは逆の体験をされたそうです。

篠原さんが中学生の頃に、ファミリーコンピューター(ファミコン)がブームになりました。篠原さんも一時期はゲームが欲しくて仕方がなかったといいます。しかし、やがてそこまでゲームを楽しめなくなり、結局はあまりハマらなかったとのこと。

学生時代、篠原さんはなぜそこまでゲームにのめり込まなかったのでしょうか。その理由の一つに、家でゲームが禁止されていなかったことがあったのではないか、と篠原さんは話します。

「もし私が、ゲームを禁じる家で育っていたとしたら、やはりゲームにはまっていたのではないかと思います」(篠原さん)

親があえてゲームに否定的な態度を取らないというのが、子供のゲーム依存を防ぐ一つの方法のようです。

これは、ゲームに限った話ではなく、親子関係のあらゆることに共通するのかもしれません。

子供がゲームと適切な距離感をもてるようにするには?

ゲーム依存症は深刻な問題です。だからといって、親がゲームを禁止したり否定的な見解を示したりすると、子供は余計にゲームに興味をもってしまうかもしれません。

子供がゲームにハマりすぎず、適切な距離感をもって遊べるようにするには、一体どうすれば良いのでしょうか?

篠原さんは、実際の子育てのなかで、奥さん(投稿内では“YouMeさん”と記載)と相談を重ね、ゲームに対する方針を立てました。投稿では、ご自身の子育て体験を踏まえ、そのポイントについても言及されています。

【親との距離感が近いうちに】

篠原さんは、お子さんが幼いうちは、テレビゲーム等デジタルのゲームは買うのを控えていました。しかし、買うのが遅すぎるのも良くないと考えています。

子供は、小さい頃は親と過ごしたがります。しかし、思春期を迎えると、親から離れるようになり、家の中では一人で過ごすことが増えます。その時期にゲームを買い与えると、一人ゲームに熱中するようになってしまうかもしれません。

子供がまだ親と一緒に遊びたいという欲求があるうちに、ゲームとの付き合い方を学ばせ、それを習慣化させることが大切だと、篠原さんは考えます。

「親御さんが子どもと一緒に遊ぶ時間をしっかり持てるのであれば、早めにゲームを渡してもいいのかな、と思います」

【楽しい依存先をたくさん作る】

また、子供の遊びや楽しいことは、ゲームだけではありません。

外遊びやレゴなどのブロックを使った遊び、読書、プログラミングを学べるツール。特に小さいうちは、さまざまな遊びに興味をもちます。

子供にとって、このような「楽しい依存先」がたくさんあれば、テレビゲームはあくまでもそのなかの一つと認識されるでしょう。ところが、そのような遊びに飽きてしまった時期にテレビゲームをはじめると、子供はゲームだけが唯一の楽しみになってしまいます。そうなる前に、ゲームを買い与えた方が良いと、篠原さんはいいます。

「ゲームも楽しいことの一つ、と肯定的に捉えたうえで、ゲームとはまた異なる楽しみもあることを、子供に感じ取ってもらったらいいのかな、と考えています」(篠原さん)

ちなみに、篠原さんがゲームを買ったのは、上のお子さん(息子さん)が小学校5年生の頃だったそう。

「うちの場合、ゲームをそこまで欲しいと言わなかったこともあって、なかなか渡すタイミングが来ませんでした。『これ以上遅くなるとむしろマズい』と思い、渡した格好になります」(篠原さん)

【親が命令せず、子供が自主的にルールを守るようにする】

ゲームについて時間のルールを決めることも重要です。

ただし、これも親が一方的に命令するのではなく、子供と相談して決め、子供が自らそのルールを守るようにする姿勢が大切だと、篠原さんはいいます。

篠原さんのご家庭では、ゲームは1日2時間まで、1回のプレイ時間は30分と決めているといいます。お子さんたちは、きっちりタイマーで30分計り、1日2時間以内というルールもきっちりと守っているそうです。

親が子供にルールを強要するのではなく、子供がルールに納得して自主的にそれを守ることが、子供が健全にゲームと付き合うために有効な方法といえるのかもしれません。

しかし、ここで篠原さんは、「ゲームといっても、ネットゲームについては子供のうちは手を出さないほうがいいかな、と考えています」と話します。

「ネットゲームはすでに一つの世界で、果てがないようだから、どれだけ時間を費やしても足りなくなる恐れを感じています。子どもとは、健康を失わずに済む、限られた時間の中で楽しむことの大切さについて話し合うようにしています」(篠原さん)

  ◇  ◇

ゲーム依存をテーマに、子育てについての持論を語られた篠原さん。子育て本『子どもの地頭とやる気が育つおもしろい方法』が発売中です。

また、『世界をアップデートする方法 哲学・思想の学び方』という本も上梓。「高校生くらいのお子さんがいる方には、世界史の勉強に役立つかもしれません。世界の歴史の流れをざっくりつかんでいただけるかと存じます」とのことです。

■篠原信さんのX(旧Twitter)はこちら
 →https://x.com/ShinShinohara

■篠原信さんのnote記事は『ゲーム依存症の予防法』はこちら
 →https://note.com/shinshinohara/n/n9c7e7e0e4bd0?sub_rt=share_h

■篠原信さんの著作『子どもの地頭とやる気が育つおもしろい方法』はこちら
 →https://www.amazon.co.jp/dp/4022515341

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