中国南部で大雨 日本では30日~7月1日は大雨に警戒 大雨の一因は南西モンスーン

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中国南部では、今月半ば以降、度々大雨になっています。日本では、明日30日から明後日7月1日にかけて、九州から北海道の日本海側を中心に、警報級の大雨になる可能性があります。今回の中国南部の大雨、日本での大雨の一因は、南西モンスーンです。インド方面から流れ込む暖かく湿った空気と、太平洋高気圧の縁を回る暖かく湿った空気が合流するためです。

中国南部で大雨 江西省の南昌市では5日間で平年6月ひと月の9割超える雨

中国南部では、今月半ば以降、度々大雨になり、土砂災害や浸水などの被害が相次いでいます。

江西省の省都である南昌市では、23日から27日の5日間の降水量は、312.0ミリを観測しました。平年6月ひと月の降水量は341.6ミリですので、平年の9割を超える雨が、5日間で降ったことになります。

日本では30日~7月1日 日本海側を中心に警報級の大雨の可能性

日本では、明日30日から明後日7月1日にかけて、広い範囲に発達した雨雲がかかる見込みです。雷を伴って、激しい雨が降り、大雨になる所があるでしょう。特に九州から北海道の日本海側を中心に、警報級の大雨になる可能性があります。

土砂災害、低い土地の浸水、河川の増水や氾濫に警戒してください。雷雲の周辺では、竜巻などの激しい突風が発生することがあります。発達した積乱雲が近づく兆しがある場合は、直ちに建物の中など、安全な場所に移動してください。
風も広い範囲で強めに吹きますので、強風にも注意が必要です。

南西モンスーン北上中 中国南部の大雨・日本の大雨の一因

日本の梅雨、典型的なパターンは、日本付近に停滞する梅雨前線に向かって、太平洋高気圧の縁を回って暖かく湿った空気が流れ込むことで雨が降ります。ただ、大雨になる場合の多くは、それだけではなく、いくつかの条件が重なります。例えば、南西モンスーンによる暖かく湿った空気の合流があります。今回の中国南部での大雨と、日本での明日30日から明後日7月1日にかけての大雨の要因の一つです。

南西モンスーンとは、季節が夏に向かうころ、チベットの北側は太陽の日差しが照り付けるようになり、気温が上がります。この時期は、インド洋は海面水温が陸地よりも低く、風の流れが、インド洋からユーラシア大陸に向かいます。これが季節風、いわゆるモンスーンです。この風は南西モンスーンと呼ばれ、雨雲の元である暖かく湿った空気の流れ込みは、インド洋からインド付近に留まらず、太平洋高気圧の張り出しの程度などによって、中国南部付近、さらに日本付近にまで流れ込みます。

インド気象局によると、今年の南西モンスーンは、5月の下旬に入る頃、ベンガル湾南部付近から北上をはじめたとのことです。現地時間6月28日には、地域によっては平年より早く南西モンスーンが達しています。なお、現地時間28日、インドの首都ニューデリーにあるサフダージャングでは、午前8時30分までの24時間降水量228.1ミリを観測、これは1901年以降、6月として2番目の記録とのことです。

今年に限らず、この時期、南西モンスーンの影響が及ぶ、インドから中国南部付近で大雨になっていると、日本も大雨に見舞われることは珍しいことではありません。今年も梅雨の最盛期、梅雨の末期の大雨に警戒が必要です。

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