先日、インドネシアの首都ジャカルタを訪れる機会がありました。市内のスーパーマーケットをのぞくと、衛生用品売り場に見慣れたパッケージが。日本のメーカー「ユニ・チャーム」の現地法人が販売する生理用品。パッケージにはカタカナでユニ・チャームの文字もあり、親近感が。しかし驚いたのはミントのイラスト。赤道直下の国だから、生理用品にもひんやり感が求められているのでしょうか。同社の担当者に東南アジアでのナプキン事情を聞きました。
現地の声「暑いのでとても快適」
日本のユニ・チャームの担当者によると、インドネシアで販売される生理用ナプキン「cooling fresh mint」シリーズは、「Dingin」(冷感タイプ)と、「Sejuk」(キュウリタイプ)の2種類。昼用や夜用などサイズも豊富です。
Dinginタイプのパッケージの側面には、「天然ミントの清涼感! ミント葉エキス配合 涼しく新鮮で、暑さや湿気を軽減。ミントの葉の香りで鮮度を保ち、不快な臭いを軽減します」とあり、ミントの効果を大きくアピールしています。
インドネシアの消費者からは「学校でもとても暑いので、Cool Freshがとっても快適!」「ミントが入っているから、Dingin(冷感)が長く続きそう」「Sejukは冷たさがちょうどよさそう」などの感想が寄せられているそうです。
インドの人気は? 理由にはトイレ事情が…
常夏のイメージが強い東南アジアでは、生理用ナプキンにも清涼感が求められているのでしょうか。
「主に暑い環境の中で、少しでも涼しく感じられるものが人気です。マレーシアではSofy Cooling Fresh、ミャンマーではEva COOL FRESH、フィリピンではSofy Cool Freshを出しています」
いずれもインドネシアの商品と同様、清涼感のあるミントのイラストが印象的です。
そんな中、同じくクールタイプを販売するインドでは、トイレ事情から別のタイプが人気を集めていました。
「地域によっては長時間使用による抗菌機能をより求められるケースもございます。インドでもCoolタイプを出していますが、インドでの人気は抗菌タイプとなります」(ユニ・チャーム担当者)
インドは外出先のトイレ事情から、大都市部でも学校やオフィスでナプキンを交換する率は約3割と少数派(同社の調査から)。そのため抗菌性能を付与したラインナップを用意しているといいます。
「インドでは外出先のトイレが不衛生だったり、トイレに紙や生理用品を捨てられるゴミ箱がないため、外出する日も家に帰ってくるまで生理用品を交換しない、できない人が多くいます。そのため、結果長時間使用が多くなり、自分の肌への不快感やニオイの心配が生まれ、抗菌性能やハーブの香料が消費者には求められております」(ユニ・チャーム担当者)
日本でも過去に販売 今後は?
同社は2017年、日本の主要生理用品の中で初めて、メントール配合の冷涼感をもたらす商品「ソフィ クーリングフレッシュライナー」を限定発売。2018年6月と2019年5月にも数量限定で「ソフィパンティライナーCOOL」を販売した実績があります。
年々暑くなる日本の夏。これらのメントール配合の商品は現在でも入手できるのでしょうか。
「以前は発売をしておりましたが、期間限定品であり、現在は販売しておりません。当社ではその国・地域の消費者が一番求めている商品を提供しており、日本では通気性に優れた『ソフィ 超熟睡ガード涼肌』『ソフィ 超熟睡ショーツ涼肌』を展開しており、今年も4月9日から全国で期間限定販売しています」(ユニ・チャーム担当者)