手がかりは1枚の写真だけ…海外の音楽家「18年前に大阪で会った5人の少女を探したい」→ナイトスクープみたいな驚きの展開に!

黒川 裕生 黒川 裕生

オーストラリア出身でスペイン在住の鍵盤楽器奏者アンソニー・ロマニウクさんが友人と大阪を観光中、制服姿の5人の少女たちが声をかけてきた。「私たち、アイドルグループやっているんです。今度ライブがあるのでぜひ来てください!」。あいにく誘いには応じられなかったが、思いがけず話が弾み、お互いに写真を撮って楽しく別れた。遡ること18年前、2006年のささやかな出来事である。

そして2024年5月、演奏のため来日したロマニウクさんは大阪での公演前日、同行していたフルート、フラウト・トラヴェルソ奏者の柴田俊幸さんに「大阪といえば…」と、ふとそんなエピソードを語り出した。昔のことなので、グループ名も、それぞれの名前も覚えておらず、手がかりは笑顔の5人と並んでピースサインを掲げた写真のデータだけ。ロマニウクさんはこの写真を「大阪の思い出」としてずっと大切にしていたという。

「せっかくだから探してみようよ」。盛り上がった2人は、柴田さんのXアカウントで「この5人組を探しています」「お心当たりのある方はDMください」というコメントを添えて写真を投稿した(※現在は削除済み)。

彼女たちの“正体”が判明したのは、わずか4時間後。柴田さんの投稿に、「この子達では?」と引用リプライが届いた。そこには、彼女たちが出演したイベントを見た人の古いブログのURLが記載されていた。さらに、5人のうちの1人と実際にコンタクトを取ることに成功した人も現れ、彼女たちが2008年に活動を終えたアイドルグループ「ファンタ⭐︎ピース」のメンバーであることが突き止められた。

ネット上に残る当時の記事などによると、「ファンタ⭐︎ピース」は関西発の制服アイドルグループで、現役女子中高生で構成されていたらしい。自身も元メンバーと連絡が取れたという柴田さんは「探偵ナイトスクープみたいな展開」「皆様の温かい拡散、本当にありがとうございました」とポスト。翌日の大阪・箕面市立メイプルホールでの公演に5人を招待したいというロマニウクさんの願いは、あまりにも急な話だったこともあってさすがに叶わなかったが、ロマニウクさんは「皆さんが元気で生きていることを心から願っています。いつか、どこかでお会いできることを楽しみにしています」と話していたという。

取材を進めるうち、写真の右から2人目、メンバー最年少でデビュー当時は中学1年生だったという美華さんにSNSを通じて話を聞くことができた。美華さんは現在、二胡奏者として活動しており、今年で31歳になる。他のメンバーとは今でも連絡を取り合える関係が続いているという。

「写真を撮った日は、たぶん日本橋付近でチラシを配ってデビューライブの宣伝をしていたのだと思います。お世辞にも成功したとは言えない私たちのアイドル時代を覚えていて、もう一度会いたいと思って下さった方がいたということに、本当に心が温まりました。なぜ18年も経ったこのタイミングなのかは気になるところですが(笑)」

柴田さんの投稿には、少ない手がかりから18年越しの邂逅が実現したことを喜ぶコメントが相次いだ一方、10代の5人の顔がわかる写真を公開したことに対する懸念や批判も少なからず寄せられた。

美華さんは「今のご時世、柴田さんも色々言われてしまったかもしれませんが、個人的には本当に再会できる日が来るといいなと思っています」と慮り、「自分たちのことを覚えていてくれて、そして探してくれて嬉しいと感じているメンバーが大半です」と話していた。

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