みなさんは、自身の子どもや孫にはどのような企業に勤めてほしいと思いますか。企業の与信管理にかかわるサービスを提供するリスクモンスター株式会社(東京都中央区)が、このほど発表した「第12回お子さん/お孫さんに勤めてほしい企業」によると、「国家公務員」を希望する人が最も多かったそうです。
調査は、未成年の子をもつ全国の20~69歳の男女800人(未成年の子・孫の男女各200人)を対象として、2024年3月にインターネットで実施されました。
その結果、「お子さん/お孫さんに勤めてほしい企業ランキング」は、1位「国家公務員」(16.0%)、2位「地方公務員」(同13.3%)、3位「トヨタ自動車」(同10.8%)、4位「任天堂」(同6.9%)、5位「パナソニック」(同5.4%)、6位「アップル(Apple)」(同5.3%)、7位「三菱商事」(同4.8%)、8位「伊藤忠商事」(同4.4%)、9位「ソニー」(同4.1%)、10位「日本航空(JAL)」(同3.9%)という結果になり、公務員の安定した人気がうかがえる結果となりました。
なお、TOP20に入った業種では、製造業(トヨタ自動車、任天堂、パナソニック、アップル(Apple)、ソニー、サントリー、本田技研工業(ホンダ)、日清食品、日立製作所、カルビー)が10社と最も多くなっていました。次いで、総合商社(三菱商事、伊藤忠商事、三井物産)が3社ランクインしています。
また、前回調査から順位が大きく変動した企業としては、「オリエンタルランド」(前回58位→16位)、「アマゾン」(同40位→19位)、「カルビー」(同58位→19位)の3社がランクアップした一方で、ランクダウンした企業では「NTTドコモ」(同8位→30位)、「NTTデータ」(同19位→36位)、「キヤノン」(同19位→51位)が目立ちました。
ランキングを子・孫別に集計したところ、子・孫いずれも1位「国家公務員」(子14.2%、孫17.8%)、2位「地方公務員」(子11.3%、孫15.3%)となるなか、子に勤めてほしい企業においては、3位に「任天堂」(9.3%)がランクイン。
そのほか、12位の「オリエンタルランド」(3.7%)、17位の「タカラトミー」(2.9%)など、子どもが好きな製品・サービスを扱う企業や、5位の「アップル(Apple)」(6.4%)、6位の「グーグル(Google)」(5.4%)、12位の「アマゾン」(3.7%)などのグローバル企業が上位にランクインしました。
一方、孫に勤めてほしい企業では、5位に「日本航空(JAL)」(5.3%)、10位に「全日本空輸(ANA)」(4.0%)、同率17位の「東日本旅客鉄道(JR東日本)」「東海旅客鉄道(JR東海)」(いずれも2.8%)など、航空・鉄道会社4社が上位にランクインするなど、子と孫とで傾向にやや違いがみられました。
また、子・孫の男女別では、男女ともに「国家公務員」(男子18.0%、女子13.9%)が1位となった一方で、男子では「トヨタ自動車」(13.8%)が初めて2位にランクイン。そのほか、7位の「ソニー」(5.2%)、10位の「日立製作所」(3.9%)、12位の「本田技研工業(ホンダ)」(3.7%)、同率17位の「キヤノン」「タカラトミー」「富士通」「三菱重工」(いずれも2.7%)など、メーカーが多くみられました。
対して女子では、7位の「サンリオ」(4.2%)、同率12位の「資生堂」「オリエンタルランド」(いずれも3.7%)、同率15位の「カルビー」「イオン」(いずれも3.5%)、同率18位の「味の素」「花王」(いずれも3.2%)など、アミューズメント企業や美容・飲食料品・生活関連商品を扱う企業のランクインが目立ちました。
次に、子・孫に勤めてほしい企業において「重視するイメージ」を複数回答で答えてもらったところ、1位「経営が安定している」(46.1%)、2位「過重労働・ハラスメントがない」(40.5%)、3位「福利厚生が充実している」(39.5%)という結果になりました。
なお、5位の「給与が高い」(34.3%)については、男子(40.0%)の回答率が4割と、女子(28.4%)に比べて10pt以上高くなっています。
また、子・孫に「期待する働き方」では、1位「趣味・特技を生かした活躍」(45.4%)、2位「業歴の長い企業で企業の歴史を学んでほしい」(32.0%)、3位「グローバル展開する企業での活躍」(31.3%)がTOP3となりました。
さらに、子・孫に勤めてほしい企業において、「稼いでほしいと考える最低年収」を調査したところ、「年収は気にしない」(29.1%)が最も多く、以下、「500万円以上」(16.4%)、「600万円以上」(15.4%)が続き、高収入への期待よりも人並みの収入を得て安定した生活をしてほしいと考える父母・祖父母が多い様子がうかがえました。
ちなみに、本ランキングと同社が2024年3月に実施した「第10回就職したい企業・業種ランキング」を比較すると、上位に多少の相違は見られるものの、どちらも「公務員」がTOP2となっており、就活生においても「安定性」を重視していることが見て取れました。