週刊少年ジャンプ(集英社)作品として大ヒットする作品では、主人公だけではなく「ヒロイン枠」にいる女性キャラも強烈な個性を放っていることが多いです。しかし、なかにはヒロイン枠ポジションなのに、さまざまな理由で読者から「嫌われがち」なキャラクターがいます。
『ONE PIECE』ナミ
たとえば『ONE PIECE』(作:尾田栄一郎)では、麦わらの一味の航海士、ナミがヒロイン的ポジションだと考えられます。ナミはオレンジ色の長い髪にキュートなルックス、明るくてしっかり者の性格から多くのファンに愛されていますが、一部では「嫌いだ」という声もあがっているキャラクターです。
ナミにはかつて、海賊の支配下にあった故郷を買い戻すために「海賊専門の泥棒」をしていた過去がありました。その経験からかお金に対してはかなりシビアで、お金のためなら泣きマネや色仕掛けを使うことにもためらいません。
そんなナミのスタンスに対し、ネット上では「ナミはお金にがめつい」「気が強すぎてちょっと引いちゃう」などの声があがっていました。ナミのしっかり者の一面が、一部のファンにはそのように感じられるのかもしれません。
また「新世界編」以降、ショートカットからロングヘアにイメージチェンジしたビジュアルに対しても「初期のデザインの方がよかった」などの意見も見受けられました。しかしその一方で「今は仲間たちに信頼を寄せている姿に好感が持てる」などの声もあがっており、多くのファンから愛されていることが分かります。
『NARUTO』春野サクラ
1999年から2014年まで連載され、日本のみならず海外でも大ヒットした『NARUTO』(作:岸本斉史)には、主人公うずまきナルトの同期として、春野サクラというキャラクターが登場します。
サクラは、はたけカカシ率いる第7班にて、ナルトやうちはサスケとともにさまざまな任務をこなしていく『NARUTO』のメインヒロインです。当初はナルトから片思いをされていましたが、サクラ自身は作中を通してサスケに恋愛感情を抱いており、のちに彼と結婚します。
しかし、ネット上では「自分のことばかり考えている」「病的なまでにサスケLOVEで怖い」という意見があり、サスケに対するサクラの強い思いが、一部のファンのあいだでは反感を招いているようです。
とはいえ、サクラは作中で恋愛ばかりしているわけではなく、くノ一として大いに腕を磨いています。伝説の三忍のひとりである綱手(つなで)に弟子入りしたサクラは、彼女のもとで医療忍術を学び、やがて医療班の一員として活躍したのです。ネット上では「努力家なところや頭の良いところ、一途なところが好き」など、サクラに好感を持つ声もあがっていました。
『BLEACH』井上織姫
2004年から連載され、シリーズ累計発行部数が1億3000万部を超える大ヒット漫画『BLEACH』(作:久保帯人)は、ユウレイが見えるという特異体質を持つ高校生・黒崎一護が、自らを死神だと名乗る少女に遭遇するところから物語が始まります。
同作のメインヒロインとして知られているのが、一護の学校でアイドル的存在の美少女・井上織姫です。作中では人気者の織姫ですが、その天真爛漫な性格に対し、一部のファンからは厳しい意見も見受けられました。
ネット上では「ぶりっ子な性格が嫌い」「戦闘能力が低いので足手まとい」などの声が多くあげられており、織姫のことを嫌いなファンは少なからずいるようです。しかし、織姫には、両親からひどい暴力をふるわれていたという過去や、力を合わせて生きてきた兄を交通事故で亡くしてしまった、という辛い人生経験がありました。
そのように辛い過去を持ちながらも、それを感じさせない明るさを持つ織姫に対し、ネット上では「心が強くて芯の通った最高のキャラだと思う」「見た目も心も美しい本物の美少女」など、織姫に好感を持つ意見もあがっていました。
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このように、ヒロインでありながら嫌われがちになってしまう女性キャラは少なくありませんが、裏を返せば、彼女たちはそれほど強烈な個性を持っているということかもしれません。