「やや鈍くて覚えが悪そうなAさん。頭が良さそうでハキハキ自分の意見をいうBさん。面接にこの2人がきたらクリニックではBさんを警戒すべき。優秀だが周りを潰して何人も解雇に導くブリリアントジャークの可能性がある
このタイプはたった1人で医院を崩壊させる可能性があるので見抜かないといけない」
ブリリアントジャーク…優秀だけど周りに悪影響を与える人材のこと。開業医がスタッフ採用の際の“本音”をつぶやいた投稿がX(旧Twitter)で話題になりました。
投稿したのは、Xに開業情報を発信しているR指定医さん(@billion_rookie)。今回、スタッフを採用する時の人材の見極め方をポストしました。これまでの採用活動の中で、面接時に優秀だと感じる人に限って問題を起こすことがあるといいます。そんな投稿には共感するコメントが殺到しています。
「会話の支配率が高い人は要注意」「そう言うタイプの人のせいで退職、転職しましたから」
「会話の支配率が高い人は要注意。序盤はいいがだんだんとキツくなる」
「採用が慣れない段階だとBを選んでしまう いやBばかり選んでしまう そして崩壊へ」
「オープニングスタッフの方がそうでした。うちを辞めた後、その後知ってる限りで2つの診療所を変わってます」
「話を被せてくるかどうか、が見極めポイントだと思います。」
「ジャークを久々聞きました、懐かしい英単語w 私も人を見抜く力を養いたいです」
「しかもBさん美人だったりしたら更に悪いネ」
「歯科医院にこの手がいましたね。患者にも容赦ないです」
「何となく分かります…そう言うタイプの人のせいで退職、転職しましたから」
「やる気がみなぎってる人が一番注意ですよね」
多くの人たちの関心を集めた開業医の投稿。スタッフ採用にあたっての心構えなどを、R指定医さんに聞きました。
開業初期に優秀な看護師を採用したが…後輩5人を辞職に追い込んだ
──スタッフ採用についての投稿が話題になりました。
「普段から趣味で開業情報を発信しておりますが、その中でも私自身も苦労しているのがスタッフの採用。開業医なら誰しも懸案事項でもあるので、反響をいただけたと思っています」
──採用の際、頭が良さそうでハキハキ自分の意見をいうBさんタイプを警戒すべきとのことですが。どうして?
「開業初期に看護師採用でBさんのようなタイプの方を選んで大変なことが起きたんです。開業したばかりの頃は、Bさんタイプの『優秀さ』に救われる部分もあったのですが、その部分を評価して役職につけたところ、お局化してしまい、後輩看護師を計5人辞職に追い込む結果となり、スタッフ不足で医院崩壊の危機に陥りました…」
──Bさんはいわゆる、高い能力を持ちながらも、周囲に悪影響を及ぼす人材「ブリリアントジャーク」だったと。Bさんのような人を見極める方法をお聞かせください。
「例えば、面接時に前の職場の悪口を言う。職歴に空白の期間がある。2年以下くらいで職場を転々としてる。話をかぶせてくる人ですね。またその方のこれまでの成功体験や失敗体験のそれぞれの要因を尋ねて、成功体験を『自分の優秀さ』と、失敗体験は『他人や環境のせい』と答えが返ってきたら完全にBさんタイプです」
面接時の受け答えで見極め、開業医が採用したい人材とは?
──面接時の受け答えを通じて、Bさんタイプを避けるようにしているということ?
「Bさんタイプが全てダメで、Aさんタイプが全て良いという意味ではなく、『ブリリアントジャーク』になりうる人はBさんタイプが潜んでいるので、そこを注意深くより分けられたらBさんタイプも良いと思います。その場合はもしかしたらAさんタイプより良いかもしれません。ここで重要なことは、クリニックの看護師には『とびっきり優秀な能力が必要な訳ではなく、協調性の方がはるかに大事』ということです。
このあたりの肌感は、一般の会社の営業部門などとはかなり違うかと思います。実際に当院でもAさんタイプを採用してみて、初めは少しどんくさいかな、と思っても、しっかりマニュアル化して訓練していくと伸びる例はいくつも経験しました。採用したのはAさんタイプと、ブリリアントジャークを除外したBさんタイプですね」
──万が一、Bさんタイプを採用して「ブリリアントジャーク」となってしまった場合は。
「正直、何人も周囲の人を辞職に追い込む人材をクリニックとしてもサポートはできないので、厳重な注意喚起をしても是正されなければ、Bさんの部署移動などで対応さぜるをえないと思います」
──開業医としてクリニックで採用したい人材とは。
「業務をきちんとこなす真面目さと、それぞれのクリニックに合わせる素直さ・柔軟性の両方を持ち合わせている人が理想かと思います。この2つがあれば、多少経験不足の人材でも問題ないと考えています」