花見シーズン真っ盛りで、京都市を流れる鴨川の河川敷も多くの場所で桜を愛(め)でる人たちでにぎわっている。ただ、朝に河川敷を歩くと、設置されているごみ箱は入り切れないほどのごみであふれている。美しい桜のそばで見るこの現実、どうにかならないのか。
各地で桜が「満開」となった週末から一夜明けた4月8日朝。京都市北区の北山大橋付近から河川敷を数百メートル南下した。
河川敷には網目になった円筒形のごみ箱が所々に設置されている。多くは花見で食べたと思われる弁当ガラや酒の空き瓶や空き缶で、中に入りきれなかった分はビニール袋に詰め、ゴミ箱のそばに置かれている。
多くは1カ所に集められ、ごみを捨てる際の一定の配慮は感じられるが、中には地面に敷いたと思われるブルーシートや酒などを運んだであろう段ボールなどが置かれていることも。回収ルールがある京都市指定の黄色のごみ袋や雑誌なども確認できた。
京都府から清掃を委託されている業者の男性は「ごみ箱があるので、お花見などで食べた後のものを捨ててもらうのは構わないですが、中には家庭ごみと思われるものもあります」と話す。花見シーズンではないが、ビデオテープを各所のごみ箱に分散して捨て、集めると200本近くになったこともあるという。
鴨川の花見のごみはどう処分すべきなのか。管轄する京都土木事務所の担当者は「基本は持ち帰ってほしい」とする。毎朝、委託業者がごみを回収しているが、瓶や缶などはその後、京都市のルールに沿って仕分け作業をしているという。
花見シーズンのごみ回収量などのデータはないが、「コロナ禍の影響を受けた前年までとは違い、今年どっと人が増えた印象なので…」と話す。
ごみ箱を増やせば「ごみがごみを呼ぶ」ため、京都土木事務所ではごみ箱は減らす方向にある。同時に、ごみの「持ち帰り」やポイ捨て禁止などを呼び掛ける啓発活動にも力を入れている。