車のモデルチェンジとは
車のモデルチェンジとは、車種名を変えず内外装や構造、エンジンなどを変更することです。車の質が上がるだけでなく、ユーザーが車を買い替えるきっかけにもなります。
フルモデルチェンジの起源は、1920年代にGM(ゼネラルモーターズ)が導入した戦略と言われています。固定車種で人気を集めていたフォードに対抗すべくGMが販売中モデルのデザイン変更を行ったところ、ユーザーの買い替えを促すことに成功しました。
▽モデルチェンジにも2種類ある
モデルチェンジには、「マイナーチェンジ」と「フルモデルチェンジ」の2種類があります。
マイナーチェンジはフルモデルチェンジまでの間に比較的短いスパンで行われ、車の内外装や機能、装備などの一部を変更します。
これに対してフルモデルチェンジは長い年月を経て行われ、車の内外装から各種装備、エンジンなど全面的に刷新するのが一般的です。フルモデルチェンジをすると車の型式も変わり、「2代目」「3代目」などと呼ばれます。
【車の型式とは】
国土交通大臣が認証する自動車の分類指標のこと。構造や装備が変更されるフルモデルチェンジでは、車種の型式も変わります。車の型式は、車検証などで確認できます。
マイナーチェンジとは
マイナーチェンジとは、先にご紹介したように車の一部を変更するモデルチェンジです。多くの車種では3~5年ほどの周期で、フルモデルチェンジの前に1~2回のマイナーチェンジを行います。
マイナ―チェンジで変更されるのは、主に内外装や一部の装備です。構造やエンジンの変更はありません。マイナーチェンジ前後で「前期/中期/後期モデル」などと呼び方を分けることが多いです。
▽ビッグマイナーチェンジもある
マイナーチェンジの中にも、内外装を大幅に変更したり、パワートレインや新たなグレードの追加を行ったりする「ビッグマイナーチェンジ」というものがあります。
例えば現行の三菱デリカD:5は、2007年のデビューからから2024年2月現在までフルモデルチェンジを行っていません。しかし2019年にはビッグマイナーチェンジを実施。内外装を大幅に変更しただけでなく、予防安全装備を充実させ、走行性能では8速ATを採用しました。
▽一部改良との違い
一部改良や部分改良も基本的にはマイナーチェンジと同義です。ただしメーカーによっては、「マイナーチェンジよりごく軽微な変更」を指すこともあります。
またメーカーによっては、毎年少しずつモデルに変化を出す「年次改良」を行っています。
▽マイナーチェンジの例「アルファード」
3代目(30系)アルファードは、2015年1月~2023年6月まで販売されていたモデルです。2018年1月のマイナーチェンジを境に前期モデルと後期モデルに分けられます。
ビッグマイナーチェンジしたデリカD:5と比べて、外観の変化は少ないです。一方、外観以外ではエンジン性能の向上や安全装備の充実が図られ、乗り心地と走行性も向上しています。
フルモデルチェンジとは
フルモデルチェンジは5~10年ほどの周期で行われる、車種の全面的な刷新です。内外装の大きな変化に加え、エンジンや構造も変更されることが多いです。
初代モデルを皮切りに、フルモデルチェンジするごとに「2代目」「3代目」…と呼ばれます。またトヨタや日産の車では、「20系」など型式番号由来の呼び名も使われます。
▽新車でも中古車でも価格への影響大
一般に、モデルチェンジ前は新車の値引きが大きくなりやすく、モデルチェンジ後の型落ちモデルでは中古車相場の値下がりが起こります。
特にフルモデルチェンジでは見た目が大きく変化し、燃費性能なども向上していることが多いため、マイナーチェンジ以上に車両価格への影響が大きいです。
▽フルモデルチェンジの例「N-BOX」
N-BOXは2023年10月にフルモデルチェンジし、3代目がデビューしました。
2代目でも完成度が非常に高かったため、3代目は2代目と同じプラットフォームを採用し、パワートレインにも変化はありません。しかしエンジンは細部まで見直され、走りの質や乗り心地が向上しています。見た目もホンダ車らしい、愛らしくもユニークな外観になりました。