市民が乗れない京都市バス…観光客で溢れるバス乗り場に悲鳴 花見で激化する京のオーバーツーリズムの現状

はやかわ リュウ はやかわ リュウ

円安効果もあり、京都市内は現在、大勢の訪日観光客で溢れかえっている。さらに、桜(ソメイヨシノ)の開花に合わせ、世界中から観光客が京都に押し寄せることが予想される。

そんななか、京都市在住の釜玉うどん(@fBJZQlO8fLn5EsT)さんが、「京都市民はこれでは利用出来ません」とつぶやき、X(旧Twitter)に動画をポスト。

そこに映っていたのは、三十三間堂、祇園や平安神宮、清水寺などの人気の観光スポット「東山エリア」を経由するJR京都駅前のバス乗り場「D2」に出来た、雨のなかバスを待つ人々の長蛇の列。

「京都市民が利用できない京都市バス」

釜玉うどんさんによると、動画が撮影されたのは、桜はまだつぼみ状態だった日曜の午前10時頃。「私の感覚では、列のなかに京都市民は5%もいなかった感じでした」(釜玉うどんさん)

この乗り場は人気の観光名所を経由する路線の発着場所であり、平日でも大きなリュックやスーツケースを手にした観光客で長い列が出来ている。撮影されたのは日曜日であり、列はバス停前だけでは収まらず、別の乗り場の横、さらに地下街の入口前へと続き、全部で3列となる長蛇の列の最後尾には案内看板を持つ係員がいる…という混雑ぶりだ。

なお、当該バスは、市民や府民も通勤通学などで利用する一般的な市バス。「京都市民が乗れない市バス」として知られる京都市営バスの混雑ぶりに、驚きのコメントが殺到した。

なぜ「タクシー」や「地下鉄」を使わないのか?

「これは…すごいですね」
「京都駅から通勤、そして来月から通学する人達は遅刻確実かと」
「ここまでとは。5年前に行った時も交通インフラ駄々混みでどんびきしましたが、さらにひどくなってますな」
「キャリーバッグあるならタクシーか地下鉄使いなよ。タクシー乗る金がないならもう来んな」
「もう、ほんまにいやや。京都に帰られへん。インバウンドでしか金かせがれへんの?」
「本当、被害者は市民府民」

寄せられたコメントのなかには、「京都市民です。街中は日本人より外国人の方が多いと思う。旅行客多過ぎて花見の名所には行けへんかも」「嵐山周辺に住んでますが、バスも嵐電も外国人だらけ。錦市場も歩けません」「コレのせいでわざわざ地下鉄経由か河原町経由でバス代倍払ってんだけど」と、市民の悲鳴も見受けられるなど、京都のオーバーツーリズムは深刻な状況だ。

「市民なら自動車移動すればいい」という声もあるが、京都市では毎月16日を「ノーマイカーデー」とし、京都市民に対して市バスなどの公共交通機関を利用するよう呼びかけるなど、マイカー利用の規制を行っている。

また、他府県からマイカーで訪れる観光客に対して、多額の税金を投入して設置した「専用駐車場」に車を停めて公共交通で移動する「パーク&ライド」の活用を呼びかけている。しかし実際は、市内中心部や観光地に他府県ナンバーの車が溢れているのが現状だ。

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