大津市が無料配布している人気アニメ「機動戦士ガンダム」のマンホールカードが、昨年12月15日の配布開始後わずか1カ月で150枚以上がフリーマーケットアプリなどで転売され、同市がやめるよう呼びかけている。カード人気の過熱を背景に各地で転売が相次ぎ、各自治体とも対応に苦慮している。
マンホールカードは、マンホールのふたを描いたカード。緯度経度や市町村名が添えられ、マンホールの設置場所が分かるのが特徴だ。国土交通省や下水道関連団体でつくる組織「下水道広報プラットホーム」が2016年から発行を始め、マンホールの設置自治体が配布している。
大津市のカードは、ガンダムの商標を持つバンダイナムコグループが同市に寄贈して大津湖岸なぎさ公園に設置されたマンホールがモチーフ。ガンダムの隣に大津絵の「鬼の念仏」を配した絵柄で、約6千枚を発行した。昨年12月15日からJR大津駅前の観光案内所で配布を始め、初日だけで約1400枚を配った。
ところが、配布後すぐにフリーマーケットアプリ「メルカリ」などで出回るようになり、1月15日時点で150点以上が出品されていた。多くは販売済みで7500円の値が付いたものもあった。初回発行分は希少価値が高く、高額で売られているとみられる。
アプリ内では滋賀県彦根市のひこにゃん、京都府舞鶴市の赤れんが倉庫のカードも取引されている。他の市町では、配布を受けた後に服装を変えて再び配布を受ける、注意した職員を大声で威嚇するといった行為も報告されているという。大津市の担当者は「カードは下水道への理解を深めてもらうためで営利が目的ではない。転売はやめてほしい」と訴えている。