元彼との想い出、ショベルカーで粉砕!?←しかも自分で操縦して破壊できます「最高すぎる...!」「スカッとしました」

太田 浩子 太田 浩子

 「元カレとの想い出」などをショベルカーで粉砕するイベントを提案したら通ってしまいました。

 「そんな企画通る!?」が通っちゃったのは、岡シャニカマさん(@SHANIKAMA_hrkt)です。投稿にそえられたプロモーションビデオには、元彼との想い出のアルバムに容赦なくシャベルを振り下ろし、あっという間にペチャンコにする衝撃映像が。

 ビデオに登場するたけべさんは、「想い出も未練も粉々になりました!!ありがとうございます!!! 企画をお聞きしたときに『天才か?!』と思ったので、参加できて嬉しかったです」と、かなりの満足感を得たようです。

 リプ欄では、「最高すぎる...!」「こういうのに申し込んで実行して周りも『今まで辛かったね、お疲れさま』って労ってあげることで得る変化って意外と大きいと思う」「すごくいい企画🤣見てるこっちもスカッとしました!!」などと受け入れられているみたいだが、本当にそんな需要があるのでしょうか。

 ところがイベントは開催されるらしく、イベント名称は「想い出の解体工事現場」で、開催日はバレンタインデーの時期にあたる2月8日、13日、14日だといいます。参加者は東京・渋谷で重機の操作方法のレクチャーを受けて、千葉にあるショベルカーを遠隔で操縦。先に送っておいた想い出の品を自分で木っ端微塵にできるとのこと。なんだかワクワクしてきたかも!?プランナーの岡さんに話を聞いてみました。

──ご自身でも通ると思っていなかった企画だったのですか?

 私はプランナーなので基本的に全ての企画を「これなら通る」と思って提案するのですが、今回の「想い出の解体工事現場」に関しては半信半疑でした。だから通った時は心底驚いたのですが、驚くとクライアントさんを不安にさせるので、必死に顔に出さないようにしました。

──なるほど(笑)。この企画を提案されたのはなぜ?

 私が所属する株式会社人間は、通信サービスmineoを提供する株式会社オプテージが運営する「マイラボ渋谷」という実験施設のプロデュースを担当しています。この施設では、クリエイターや企業との「共創」、実験に参加したユーザーとの「共創」によって、前例のない未来を実験的に創り出す体験イベントを繰り返し開催しています。

 今回のイベントは遠隔重機の技術を開発する「ARAV」様の最新技術に関心を抱き、5G時代の未来世界を体験できる実験イベントを共に実現したい旨をマイラボ渋谷からARAV様にコラボレーションを持ちかけて実現しました。

──通信技術から重機操作につながったのですか。

 これまで遠隔重機は「安全な場所にいながら作業ができる」という点で、現場作業者の方にとってのメリットが注目されてきました。ただ、そのメリットを一般の方が聞いても自分ごとにはなりません。

 一方で「危険を伴わない」ということは「誰でも操作できる」ということでもあります。これは一般の方でも関心を持ってもらえるポイントです。普段は操作できない「重機」の圧倒的パワーを使えば自動車もペシャンコにできると聞いたので、まずは『一般人が重機で何かを破壊するイベント』がしたいと思いました。

 イベント開催の時期がちょうどバレンタインに近かったので、バレンタインシーズンに破壊したいものは?と考えているうちに「元パートナーにもらったもの」など、未練の強いものを木っ端微塵に粉砕するイベントの企画になった次第です。

──ちょっと気になったのですが、粉砕した思い出の品はどうなるのですか?

 運営側で産業廃棄物として処分いたします。

──粉砕した思い出を、自分で処分しなくていいのは良いですね。

 遠隔重機を使うことで、自分で処分するより圧倒的に心理的ハードルは下がると思います。

 まず「遠隔操作」なので「間接的に解体する」ということが可能になります。イベントでは渋谷にいながら千葉県にある品物を解体するわけなので、いい意味で臨場感が少なく、変に躊躇することなく自らの手で解体することが可能です。

 そして「重機」を使うことで「自分ではない物の力で解体する」ということになります。力加減が難しくゲーム感覚で楽しめるので、操作しているうちに「想い出の品」なんてことはどうでもよくなり、重機を操作すること自体を楽しみながら解体作業を完了できるのではと考えています。

 ◇ ◇

「『遠隔重機』という技術の進歩によって『自分でも動かせるもの』になった瞬間に、これほど多くの人が『動かしてみたい!』『破壊したい!』と反応してくれるということは、みんな重機が好きだったのかもしれません。『あの時、渋谷で想い出を解体したのがキッカケで建設業界に進もうと決めました』という人と将来出会えることを願っています」と岡さんのイメージは、さらに先に飛んでいるようです…。

(※イベント参加の応募は終了しました)

■岡シャニカマさんプロフィール
1995年2月4日、大阪生まれ。株式会社人間の「いじるプランナー」として活動しながら、副業で「ない株式会社」を設立。世の中の「つまらない」「みっともない」といったネガティブな「ない」をいじって企画にすることが得意。過去には「クソリプかるた」や「いけずステッカー」などを企画。

■想い出の解体現場 公式サイト https://mylab-shibuya.jp/events/omoidekaitai

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