お腹が大きく膨らんだ保護犬、妊娠?病気? すべてを受け入れ家族に「塩対応なところもおもしろい」

渡辺 陽 渡辺 陽

病気の治療もせず放置されていた柴犬

あんずちゃん(5歳・メス)は、兵庫県姫路市のブリーダーのところにいたのを、保護団体が保護した。保護された時にはお腹が大きく膨らんでいて、良くて妊娠、 悪くて病気だと思われ、 検査した結果病気で腹部に水が溜まっていることが分かったという。

千葉県在住のTさん一家は、先代犬を2020年6月に13歳で亡くし、ペットロスに陥っていた。それでもまた犬と一緒に暮らしたいと思うようになり、それなら保護犬にしようと探し始めた。

「2021年4月、私たちは保護団体のFacebookではじめてあんずの写真を見て、ひと目で『この子がいい!』と思いました。病気を抱えていることは知っていましたが、 それでもあんずが良くて申し込み、引き取ることにしました。」

2021年6月、保護団体のスタッフが千葉県まであんずちゃんを連れてきてくれた。

あんずちゃんはクレートからなかなか出てこなかった。保護団体のスタッフが出したが、不安そうな様子だったので、そのまましばらく抱っこしていた。その後ケージに入れると落ち着いたという。

あんずちゃんという名前は、保護団体のシェルターの近くに住む小学生の兄弟がつけてくれたそうだ。

塩対応だが、癒してくれる

あんずちゃんは、だんだんTさん宅に慣れていった。性格はとても穏やかでおとなしい。

「外出していた家族が帰ってきた音を察知すると、クゥ〜 ンと鳴きながら大騒ぎで玄関まで行き、 ソワソワしながらドアが開くのを待っています。 それなのにドアが開いて家族が入ってくると、 尻尾も振らずに塩対応なところがおもしろいです。」

塩対応なあんずちゃん。普段は尻尾を振らないが、おやつをあげる時に「待て」をすると、尻尾をフリフリしながら待つ。 待ちながらじわじわと近づいてくるところも可愛い。

「あんずがいるだけで癒されますし、気持ちが穏やかになります。家族であんずのお世話をすることで、 家族間の関わりも増えてる気がします。現在も治療は続いていて大変ですが、 あんずを引き取ったことに後悔はありません。」

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