「一刻も早く逃げること!」NHKアナウンサーの絶叫→東日本大震災を知らない世代は呆然?「悲劇を繰り返さないため」の教訓、伝えたい

はやかわ かな はやかわ かな

震度7の揺れを観測した「令和6年能登半島地震」発生に伴い、大津波警報が発令された。その際、それまで冷静に状況を伝えていたNHKの女性アナウンサーが、石川県能登地方の住民に対して、「津波は繰り返し押し寄せます。東日本大震災の津波を思い出してください。命を守るため一刻も早く逃げてください。今すぐ可能な限り高いところへ逃げること!近くに高台がなければ高いビルの上か、海岸から遠く離れたところに逃げること!決して立ち止まったり、引き返したりしないこと!周りの人にも、津波が来るぞ高台に逃げろと呼びかけて逃げること!皆さんで命を守ること!命を守ることを最優先に逃げてください!」と、非常に強い口調で避難を呼びかけた。

その鬼気迫るアナウンスに、東日本大震災で失われた多くの命を教訓にした素晴らしい呼びかけだ!と絶賛の声が多かった反面、「ヒステリックで聞くに耐えられない」「絶叫してて怖い」といった批判の声も上がった。

あの叫びは失われた1万人以上の「命」の教訓

これに対して、東京の高校受験を目指す子どもたちの指導を行う高校受験塾の講師、東京高校受験主義(@tokyokojuken)さんが、X(旧Twitter)に投稿したポストに8万8千以上のいいねがついた。

「中高生のフォロワーが多いので伝えたいこと。私たちは2011年の東日本大震災という深いトラウマを抱えています。『津波なんて大したことはないだろう』と油断した結果、1万人以上が溺死しました。NHKアナウンサーのあの叫び声は、悲劇を二度と繰り返さないための教訓です」

東日本大震災を知らない小中高生世代と日々向き合う東京高校受験主義さんのポストに、多くの共感の声が集まった。

あの未曾有の大震災を風化させないで

「津波なめてる人多すぎる」

「そうか、若い人はわからないんだな。2011年3月11日に起きた大津波の犠牲から学び、メディアが伝えた方を変えた結果なのだよ。みんなの命をより多く救うために」

「あの未曾有の大震災が風化されたら終わりよ日本」

今の小中学生にとって「311」は歴史上の出来事

13年前の東日本大震災発生時、各局のアナウンサーはあくまでも冷静に避難を呼びかけた。その結果、「そんなに深刻とは思わなかったから避難しなかった」という住民も多く、1万人以上の命が津波により失われた。

くだんのアナウンサーは、ニュース7などを担当する山内泉アナら。東日本大震災以降、NHKアナウンス部では「異常事態を伝えること」の重要性について、大きな見直しが行われたという。まさに東京高校受験主義さんのポストにある通り、今回の決死の呼びかけは、13年前の悲劇を繰り返さないための教訓と言える。

「小中高校生と接していて、今の高校1年生ぐらいが東日本大震災を記憶しているギリギリの世代です。小中学生はもう厳しくて、歴史上の出来事になってきています。しばらく大きな震災がなかったのもあり、彼らが震災というものをリアルなものとして捉えられないのは仕方がないことです。今回の震災をきっかけに、中高生から、『震災の怖さをようやく理解した』という声があがりました」(東京高校受験主義さん)

子どもたちに「自身の体験を伝える機会」に

今回の震災をきっかけにして、「伝えること」が大切だと東京高校受験主義さんは語る。

「記憶している私たちの世代が、しっかりと地震や津波の恐怖や備えを伝えていく必要があると思います。私は授業で題材になる度に自身の体験談を話していますが、生徒は真剣に聞いてくれます。津波が町を飲み込んでいく様子をテレビで見たこと、計画停電のことなど、生徒たちは身近な大人から聞くことで、本当にあった出来事であることを認識します。今回の震災は、大人たちが子どもに自身の体験を伝えるいい機会ではないでしょうか」(東京高校受験主義さん)

震災などの異常事態が起こった際、自身の心の平静に保つために「正常性バイアス」という心理が働くと言われている。13年前の東日本大震災発生時も「正常性バイアス」が働いた結果、「そんなに深刻だと思わなかったから避難しなかった」といった声も多かったという。

「令和6年能登半島地震」ではNHKのアナウンサーが非常に強い口調で避難を呼びかけたことで、「危機感のなかった親が驚いて避難した」という声もXで見受けられた。

大人が叫んで必死になるほど津波は恐ろしい

今回の東京高校受験主義さんの投稿に対して、「娘(小4)と息子(高3)と一緒にNHK見てた。娘はアナウンサーの声に驚き怖がっていた。『普段は冷静にニュースを伝えている大人がこんなに叫んで必死になるほど津波は恐ろしいんだよ』と伝えた。娘、真剣に聞いていた。ニュース見ながら我が家の緊急避難場所や、はぐれた時の対応についても話した」というコメントも寄せられた。

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