保護主「見て見ぬふりをする勇気の方が重かったから今がある」
今回のノラミちゃんを保護して家猫するまでのエピソードには「優しい方との出会いがあり、良かったね」「命を繋いでくださりありがとうございました」「この子が今生きてるのは確実にあなたのお陰ですよ」などと感激するコメントがたくさん寄せられています。最後に初めて経験した野良猫の保護について、保護主さんの思ったこと考えたことをご紹介します。
「野良猫を保護することは勇気がいりましたが、私には見て見ぬふりすることも勇気のいることだと感じています。保護に至る勇気は、保護した猫が全て健康で懐いて幸せに暮らしてくれる保証なんか全くなくて、知らなければ済む悲しみや苦しみをその子の命と共に背負っていかなきゃならない。保護しない勇気は、何か食べさせてくれとすがる目で鳴く小さな生き物を見捨てる自分と直面しなきゃいけない、そんな自分をどこかでずっと責めて生きていかなきゃいけない。まして自分の家に幸せに生きる生き物がいるならその子たちの命との重さの差を自らに説明しなきゃいけない。だからどちらに行動するにも簡単じゃなくとても重い決断になると思います。
だからもう1匹同じような迷い猫が現れたとしても手放しで『保護します!』なんて言えません。実際ノラミはそのうち口内の手術で数十万円かかりそう。自費です。でもノラミは選んでここに来た、来てしまった。だから見て見ぬふりをする勇気の方が重かったから今があるという感じです。だから保護しない選択をする人にもその選択を責めるつもりなんてない。ただ自治体には、地域猫活動などの普及をボランティアする人の気持ちに任せるんじゃなく、財源を確保して応援、啓発してほしいと思います。保護した子の治療費にもです。それならばもう少し道は開かれるのにと思いました」