老老介護だけでなく、介護離職や老親の介護も深刻な問題になっています。介護や病院の日常を淡々と描くソファちゃん(@sui_gb20)さんが描く、沈んだ気持ちがふと和らぐ瞬間とは。
ソファちゃんさんが、「太陽みたいな、訪問介護士さん」というキャプションの絵をXに投稿したところ、大きな反響がありました。
「家族だけでは限界がありますよね。訪問介護士さんは救世主ですね」
「お米が床に…ごはん作ろうとしたんだね。介護士さんが来てくれるって心の支えになるね」
「あるある過ぎて。利用者さんよりもまず、息子よ…娘よ…ってパターンが昨今は多くなりました」
あまりにもリアルで「胸がぎゅーって苦しくなる」という声も。「いいね」は5.3万件にもなりました。
ソファちゃんさんにお話を伺いました。
ーー介護しているお子さんが疲れ切っているケースはよくありますか。
「老老介護もですが、独身の子や姪甥がキーパーソンとなってケアしていることもあります。絵は『片付けても片付けても散らかる利用者さん。認知症、骨折歴と心疾患もあり、ヘルパーさんは週2回(掃除と内服介助、頼まれた買い物のみ)。デイサービスは週4回。介護離職で一度辞めて、今は就職活動中の45歳次男。利用者さんの通院の付き添いなどもあり結構疲れている。この日は面接の後に帰宅してみたら米が飛び散っていて虚無のところにヘルパーさん参上』という設定にしました。もちろん、見た方によっていろんな設定(物語)があるといいな思っています。」
ーー訪問介護士さんの役割について教えてもらえますか。
「必ずしも訪問介護でなければならないことはなく、訪問サービスは、介護、看護、入浴、リハビリ、送迎などがあります。利用する方の生活スタイルに合わせてベストなサービスをケアマネジャーが計画し、事業所が連携してサービスの提供をしています。介護度によって使えるサービスに限度もあり、また本人や家族の意向もあるため、ケースバイケースです。今回の絵の中の人物にとっては、貴重な存在です」
ーー家の中全体を明るく照らしてくれていますね。
「この絵の中の介護士さんは、ただいつも通りケアに来ていて、でも絵の中のスーツを着ている方にとっては、太陽に見えた…そんな絵です」
ーーご家族が若くても遠慮なくサービスを利用した方がいいと思われますか。
「ご家族の状況はさまざまです。若くても利用した方がいい、ということもありません。ただ、日常生活に支障をきたしていてお困りの時は、お近くの行政センターなどの機関に相談してみてほしいです。介護サービスは利用する高齢者のためにあるというより、ケアを担う方(ご家族など)のためにあるかと思います」
ーー訪問介護士さんが入ることでうまくいくケースもありましたか。
「訪問看護師として勤務していた時、利用者さんのお宅に一冊のノートを置いて、訪問したらその日の連絡事項などを記入していました。様々な事業所が関わっている場合は、この連携ノートがとても大切です。介護士さんと今日あったことを共有して、みんなで利用者さんをサポートすることができました。訪問看護師もですが、介護も入浴もリハビリも、デイサービスも、24時間そばにいるわけでないため、みんなで協力して1人の利用者さんとそのご家族をサポートするのです」
ーー太陽のような人は1人ではないこともあるのですね。
「この絵では1人の訪問介護士さんしか描いていませんが、暑い夏を、寒い冬を乗り越えること、1日も長く自宅で過ごすことを叶えるために1人の利用者さんのためにたくさんの職種が介入することもあります。」
実際の家庭での介護の実情は非常に厳しく、実の子だけでなく、その配偶者などに皺寄せがいくことも。誰かが1人で背負うには限界があります。困っている方は、まずは行政機関にご相談ください。