「キャラの持つ弱点を意識」「短い台詞でも深み」 TVアニメ「ヒプノシスマイク」出演の声優・榊原優希さん 地元岡山で思い語る

山陽新聞社 山陽新聞社

今注目の若手声優だ。岡山県井原市出身で、イケメンキャラクターがラップバトルを繰り広げる人気テレビアニメ「ヒプノシスマイク」に出演中の榊原優希さんは「いろいろなキャラになりきれるのが声優の魅力」と語る。アニメやゲームにとどまらず、海外ドラマの吹き替えなど活躍の幅を広げている。

「ヒプノシス—」では過去のいじめが原因で親しい人以外に芝居がかった言葉遣いをするビジュアル系バンドマン役を務める。見た目の華やかさとは異なる内面の繊細さを丁寧に表現し「キャラの持つ弱点を意識している。それまでの人生や心のもろさ、欲しているものを理解して演じれば短い台詞でも深みが出せる」と強調する。

小学校時代の音読の宿題が原点だ。「登場人物はどんな心境かな」「もっと感情を込めて」—。母からアドバイスを受けながら読み進めるうちに「芝居が面白いと感じた」。高校卒業後に上京し、昼は大学、夜は声優の専門学校へ。ホームシックや将来への不安に押しつぶされそうになったが、夢を叶えるために努力を続けた。台詞の練習を録音して何度も聞き返しては得意な言い回しを磨き、苦手な発音の克服を図った。「強みや弱みを分析し、自分のどこを売り出せるか考えた」という。現在の役作り同様、冷静に自身と向き合い、着実に力をつけた。

10月末、岡山市内で開催されたアニメやコスプレの魅力を発信するイベント「第1回おかやま桃アニメ祭(フェス)」のトークショーに出演し、バンドマン姿を含め多くのファンに囲まれた。「地元岡山に初めて仕事で呼ばれ、温かく迎えられた。みんなに『応援して良かった』と思ってもらえる声優になりたい」。古里のエールを励みに決意を新たにした。

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