中学受験をひかえる子どもを持つ保護者は、子供同士、ママ友同士のトラブルに悩みを抱える人が多いと聞きます。そこで、中学受験をした子どもを持つ全国の中高生の母親73人に調査をしたところ、ママ友同士のトラブルは「いじめ」「疎遠になった友人の母親から声がかからなくなった」などの声が寄せられました。また、トラブルを避ける方法としては、「受験生の保護者とは深く関わらない」「成績や志望校を言わない」といった意見が集まったそうです。
イノベーションシステム株式会社(東京都千代田区)が運営する『ひまわり教育研究センター』が、「中学受験時の人間関係のトラブルに関しての実態調査」と題して2023年10月にインターネットで実施した調査です。
中学受験をした中高生の母親に対して、「子どもが中学受験時に子供同士のトラブルがありましたか」と聞いたところ、34.25%の母親が「トラブルがあった」と回答しました。そのうち、「塾でトラブル」は、17.81%、「小学校でトラブル」は16.44%でした。
男女別の違いでみると、男子は、「小学校でのトラブル」21.2%)が「塾でのトラブル」(15.2%)よりも比較的多く、女子は「小学校でのトラブル」(11.6%)よりも「塾でのトラブル」(20.9%)が倍近く多い結果となっています。
さらに、「中学受験時の子ども同士の具体的なトラブル」については、「友達と喧嘩した」「女子同士のグループ内での喧嘩」「いじめ」といった回答のほか、「志望校をインスタであげられるなど、不愉快な思いをした」「盗難」「不登校」といった深刻なトラブルも挙げられました。なお、4割強の母親が「先生が間に入り話し合いで解決した」「周りに相談した」といった方法で「トラブルが解決した」(45.83%)と答えています。
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他方、子どもの受験期に「ママ友同士のトラブルがあった」と答えた人は19.18%。そのうち、「学校のママ友とのトラブル」は15.07%、「塾のママ友とのトラブル」は4.11%でした。
具体的なトラブルについては、「子ども同士のいじめ・トラブル」「疎遠になった友人の母親から声がかからなくなった」「インスタにあげた我が子が悪くないみたいな態度をとられた」など、子ども同士のトラブルが親同士のトラブルに発展していることが分かりました。なお、3割強の母親が「周りに相談」することで「トラブルが解決した」(35.71%)と答えています。
最後に、「中学受験期を振り返って、どうすればママ友トラブルを避けられると思いますか」と聞いたところ、以下のような声が寄せられたそうです。
▽受験生の保護者とは深く関わらない。
▽干渉せず距離感を持つ。
▽誰とも接触しない。
▽成績や志望校を言わない。
▽プライベートなことは話さない。
▽言わず聞かざる。
▽中学受験することを周りに言わない。
▽さぐりを入れるような質問には、適当に返事をする。
▽冷静でいる。
▽気にせず強い気持ちで子供といる。
▽同じ目標の人と行動する。
▽担任とのこまめな連絡。