ジャニーズ事務所は9日夜、公式サイトで「故ジャニー喜多川による性加害に関する一部報道と弊社からのお願いについて」と題した声明をリリースしました。「被害者でない可能性が高い方々が、本当の被害者の方々の証言を使って虚偽の話をされているケースが複数ある」とし、報道各社へ「十分な検証」を要望しました。声明中の「本当の被害者」という表記がXのトレンド入りするなど、その内容が注目を集めています。
注目されているのは「弊社は現在、被害者でない可能性が高い方々が、本当の被害者の方々の証言を使って虚偽の話をされているケースが複数あるという情報にも接しており」と、被害者ではない人物が告発している可能性を指摘し、「これから被害者救済のために使用しようと考えている資金が、そうでない人たちに渡りかねないと非常に苦慮しております」と訴えている点です。さらに報道機関に対して「告発される方々のご主張内容についても十分な検証をして報道をして頂きますようお願い申し上げます。」と“けん制”する箇所もあります。
一方、声明発表前の同日夜にNHKはニュース番組「ニュース7」で、約20年前に東京・渋谷のNHK放送センター内でジャニー氏から複数回にわたり性被害に遭ったとする30代男性の証言を報じました。NHKの報道では、ジャニーズ事務所は「性加害に関する事実認定は、独立した第三者である再発防止特別チーム及び被害者救済委員会に委ねることとしており、弊社が認識している限り、そうした事実はございません。今後も引き続き、再発防止特別チームの提言に従って、被害者の救済に全力で取り組んでまいります」とコメントしています。
NHKの報道と声明の関連は不明ですが、Xでは声明への疑問や批判の声が続出。
「被害者にウソつきがいるかもしれないって、加害者側が絶対に言っちゃいけない台詞だ」「加害者側が『被害者か否か』を判断する権利を一方的に持ってるのは異常だと思います」「「第三者チームに事実認定を委ねている」と言いながら、「第三者チーム」を通さずに「虚偽の話」と「事実認定」するジャニーズ事務所。しかも、この声明を出すことで、まるで多くの被害者の告発が虚偽であるかのような印象を振り撒き、二次加害をしている事にも気付かない」「これ絶対に言ってはいけないのに。こんなの平気で出せることが会社として信じられない」「知らなかったのに被害者の真偽を区別できるのは矛盾している。これ以上声を上げさせない牽制に感じる。醜悪」「法を超えて救済の真意は?」「ジャニーズ事務所にそれを言う資格はない。被害の実態を網羅的に調査する必要があるのだが、ジャニーズ事務所はそれを拒否し続けているではないか」などの声が上がっています。
また、同事務所新社長に就任した東山紀之さんが「加害を助長したとされている」報道も確認しているとして、「東山本人は、再三にわたり、そのようなことは決してしていないと説明しております」と東山さんの関与をあらためて否定しています。