毎日新聞出版が発行する週刊誌「サンデー毎日」は公式サイトで、9月7日の記者会見でジャニーズ事務所が長年にわたるジャニー喜多川氏の性加害を全面的に認めたことを受け、被害者への救済や経営刷新の具体策が実行されるまでは、当面は表紙起用を見合わせる考えを明らかにしました。
一方、9月26日発売の10月8日号では、表紙にSexy Zoneのメンバー松島聡さんを起用しつつ、「松尾潔×田中康夫×近田春夫 ジャニーズ問題と日本社会の民度」との見出しで特集が組まれています。X上では「表紙とトップ記事内容が乖離している」「松島聡さんへの配慮はないのでしょうか」「表紙にジャニーズ使っておいて中身はジャニーズ批判 数字取りたいだけじゃん」などの批判が相次いでいます。この点については「9月7日以前に撮影されたもので、予定通り掲載しました。」としています。
表紙起用の見合わせは9月26日公開の編集長後記で説明。「前号に引き続き「ジャニーズ性加害問題」について報じました。9月7日の記者会見でジャニーズ事務所は、長年にわたるジャニー喜多川氏の性加害を全面的に認めました。本誌は深刻な人権侵害であり、あってはならないことだと重く受け止めています。これまで同事務所所属のタレントを表紙に起用してきましたが、今後は被害者への救済や経営刷新の具体策が実行されるまでは当面見合わせ、注視していきます。」と述べています。
12日更新された編集長後記でもジャニーズ性加害事件について「2000年代初めに『週刊文春』がジャニー氏の性加害報道をしていた頃、私は別の大手芸能事務所の取材をしていました。芸能界のカラクリの一端を垣間見たのですが、性加害事件には視界が及びませんでした。痛恨です」とつづっています。続けて「芸能界の特異性は生身の人間を『商品』にしていること。その意味で社会をリアルに映す鏡です。ジャニー氏はその『商品』を所有物と見なしていた。まずは、真摯(しんし)に活動をしているタレント、ファンのためにも社名変更は急務でしょう」と述べています。